だけどこんなに君が好き《part.3》【ARS N】 (ページ12)

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104.もう、元通りになんて真っ平なんだ。《side.K》ページ12

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コトが大きくなると自分の出世に響いたりもするんだろうか。
それとも、穏便に済ませることが功績になるのだろうか。

欲しがっている餌を少しずつこぼしながら
俺はこの本部長サンの懐に入り込んだ。

隣で引きつった笑いを浮かべる、雅紀に気付かないふりをして。

そうして日本に帰る頃には、「早く日本に戻って、俺の下で働いてくれよ」なんて半分本気の目でお願いされちゃったりして。

ｰｰｰｰｰいざと言う時には、きっと役に立つ。この駒は。

＊

雅「帰りの飛行機、ニノの話ばっかでオレ超しんどかったんだけど！」

距離も時間も飛び越えて、電波を通じて繋がった声は、内容に反してとても嬉しそうで。

雅「どーすんだよ、お前のせいでオレ飛ばされるかも」

和「安心しろ、人事には全くキョーミねぇから(笑)」

雅「その割には随分取り入ってたよーに見えたけど」

和「相葉さん……持つべきものは人脈、これ鉄則よ？」

雅「お前の発言、たまに怖い」

同期というものは、どんなに時間が経っても環境が変わっても、同期であって

ふとした瞬間に、時間が遡るように距離が詰まる。

俺が日本に戻ったら、
あいつと時間も距離も
あっという間に元に戻るんだろうか。

ｰｰｰｰｰでも

もう元通り……なんて真っ平なんだ。

和「……なぁ」

雅「ん？」

和「A、どうしてる？」

雅「さぁ、最近全然連絡取ってないから」

和「あ、そ」

雅「お前、相変わらずなんだね」

和「手ぇ出したら…」

和･雅「「人生めちゃくちゃにしてやる」」

雅「(笑)」

和「……」

雅「安心して、一ミリも興味ないから」

＊

程なくして、

日本から一人、要員が配置された。

翔「にのみやかず……なり？」

リクエスト通りの絵に書いたような、

センスのあるイケメンリーマンが。