９drops ページ10
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｢えっとー…何年生、ですか？｣
A｢2年です。深田さん、は…？｣
｢俺もっす！！じゃあAちゃんって呼んでもいい、ですか…？｣
あ、そうか。
檜山くんが同じって言ってたんだから、そりゃ同じ学年か。
よく初対面の人とかに距離の詰め方がすごい、なんて言われるけど
勝手にそれを今も発揮しちゃってたみたいで、気づけばAちゃんの顔はちょっとだけびっくりしてた
｢ああ、！いやなら大丈夫です、ほんとに！｣
A｢いや、そう言うんじゃなくて…えっと、｣
あんまり、喋るの得意じゃないのかな。ちょっと人見知りっぽいし。
俺がおしゃべりすぎるだけで、これぐらいが普通の人の反応なのかもしれないけど。
A｢自由に呼んでください。なんでも嬉しい、ので。｣
｢ほんとに？！じゃあ俺のことも深田さんじゃ堅苦しいんで、竜生って呼んでください！｣
A｢竜生、くん…？｣
これでいい…？とでも言うように見上げられた瞳に、ドクン、と心臓は高鳴って
自分で呼んでってお願いしたくせに、
なんなんだよこれっ、て。
いきなり呼び捨てはそりゃできないよね、
でもその代わりにつけられた��くん��が、なんだかとんでもない破壊力を担っていて
心を落ち着かせようと
ちょっと一旦、目を逸らした。
A｢あ、わたしそろそろ｣
｢！じゃあまた…ね！｣
また会えるといいなって思ってるのが、Aちゃんもだといいな。なんて
小走りでキャンパス内を移動する小さな背中を見て、1人で思ってみたり。
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作者名：スイ. | 作成日時：2021年10月1日 20時
