37 drops ページ38
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「これ何時に起きて作ったの？」
A「えっと、今日は6時半…くらいだったかな。授業が2限からだったからね、ゆっくり作れて」
「俺めちゃくちゃ寝てた時間やん、、同じ1人暮らしなのにこんなに違うんだね」
A「高校の時早く起きないと間に合わなかったから、自然と目覚めちゃうだけなの。」
「いやいや、それでも早起きしてるだけえらいって！
俺もAちゃん見習おうっと、、」
A「竜生くんはバイト頑張ってるから寝ていいんだよ…！わたしこそ見習わないと、」
「(笑)じゃあこれからもたくさん寝るね、ありがと」
なんだろうこの会話、、自分でも笑っちゃうくらい初々しすぎるな
「ん、！ごちそうさまです…！！マッジで美味かった！！ありがとう！」
気づけば空っぽになったお弁当箱。
もう何も入っていないのに、そこを見ると不思議と心があったかい気持ちでいっぱいになる
A「こちらこそ…！！そんなに嬉しそうに食べてくれると思わなかった、ありがとう、(笑)」
「そりゃ嬉しいよ…！！あの、よかったらなんだけど」
A「うん？」
「ほんっとに時間あるときで大丈夫なので、、また、作ってきてくれませんか、」
お願い、って控えめに両手の手のひらを合わせてみる
だってこんなの、Aちゃんが自分でしか食べなくて
誰もこのおいしさを知らないで褒めてくれないなんて、もったいなすぎるっていうか
A「…うん、また今度、作ってくるね。」
「ほんと？！ほんとにいいの？！」
A「竜生くんが食べてくれるの、わたしも嬉しかったから。」
そう言って優しく笑ったAちゃんを見た途端、
顔がカーッと熱くなった感覚がした
かわいすぎるもん、、しんどい
A「あ、わたしそろそろ授業だから…！」
「！…じゃあ、またね、！お邪魔しました」
A「うん、またね！」
手を振りながら閉めた扉の向こう、
さっきまで笑っていた君が
どんな表情を浮かべているのかなんて
1人で幸せを感じていた俺は
これっぽっちも、知らなかった
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A「…っ、」
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作者名：スイ. | 作成日時：2021年10月1日 20時
