17 drops ページ18
*
｢はあ、｣
檜山 ｢またあ？寝たら忘れるんじゃなかったのかよ。｣
｢ほんとに会えるかなあ、、｣
檜山 ｢随分重症だな｣
学食のテーブルに檜山くんと2人並んで、数分前に食べ終わったご飯。
空っぽになった器は、まるで自分の心の中みたい。なんて。
一限から学校に居たし、もう昼なのに。
今日はAちゃんとぜんっぜんすれ違う気配がない。
別に今日じゃなくたっていいんだけど…ねえ？
檜山 ｢どこの学部だっけ？｣
｢えっとねー天文学？って言ってた｣
檜山 ｢天文学部？そんなんうちの学校に無くない？｣
｢…え？！｣
深田竜生、今頭の中大パニックなんですけど。
え、だって確かに言ってたよね？��天文学部です��って…。
｢ちょちょちょまって、ほんとに混乱混乱｣
檜山 ｢天文学っぽいの学べる学科ならあるけど学部は無いよ。理学部ってこと？｣
｢いや分からん分からん、じゃあホントは理学部なの？！｣
檜山 ｢いや知らないけど。｣
もう頭回らなくなってきた…。
でも…だとしたら、なんであの時Aちゃんは俺に嘘ついたの、？
いや、そりゃ初対面の人に学部教えるなんてやっぱりどう考えても嫌だけど。
同じ学校だし、いずれバレるくない？？
湧 ｢お！ここお邪魔していーい？｣
｢湧くん！どーぞどーぞ｣
涼しい顔で水を飲む檜山くんの横、1人で頭を抱えていれば
お盆を持った湧くんが来た。
湧 ｢深田はなにしてんの、また課題出し忘れた？｣
｢俺のことなんだと思ってんの湧くん、、｣
湧 ｢ははは！冗談だって、｣
俺、まだ今期1回しか出し忘れしてませんから！
それに湧くんもこの前出し忘れた！って騒いでましたよね？？
湧 ｢聞いてよひやまあ、こいつなんかこの前のバイトん時メドゥーサに会ったとか言ってきてさあ！｣
檜山 ｢は？メドゥーサ？｣
湧 ｢見たまんま動けなくなっちゃったんだってー、だからメドゥーサ。｣
檜山 ｢…それ、絶対笠原のことだろ。｣
苦笑いする檜山くんと、いじるだけいじって呑気に定食を口に運ぶ湧くん。
いつもなら元気に言い訳するけど、今の俺にAちゃんは地雷っすよ、湧くん…。
｢湧くん！理学部って校舎のどっち側？！｣
湧 ｢え？たぶんあっち…？｣
｢ありがとう！｣
空きコマだし、行っちゃえ俺。
どうしても会って、ホントのこと…確かめたい。
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作者名：スイ. | 作成日時：2021年10月1日 20時
