16 drops ページ17
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檜山 ｢ねえいつまで寝てんの、帰るよ｣
｢んえ、？｣
檜山 ｢もー置いてこ。バイバイ｣
｢ちょちょちょっと待ってよ！｣
ほんっと檜山くんったら薄情なんだからー
慌てて提出した出席カードもギリギリ回収されそうな手前で、殴り書きした自分の字がぐにゃぐにゃ曲がってた。
｢うわ、やっぱり待ってくれてんじゃん檜山くん。やっさしー！｣
檜山 ｢うるせえ早くしろ(笑)｣
｢はいはーい、今準備終わりましたよっと｣
やっぱり誰かと帰るのっていいよね。
今日は立て続けにあったバイトも久しぶりに休みだし、家に着いたらゴロゴロしよーっと。
檜山 ｢寝たらスッキリしたの？全然さっきと顔違うじゃん｣
｢あまじで？俺寝たら忘れるタイプだからさ！｣
まあ埒が明かないことで悩んでたってしょうがないし、とりあえずあの時間で一旦頭をリセットして。
いつも帰りに歩く歩道。
その通りはコンビニとかも多いけど、昔ながらのお店なんかも幾つかあって
外観を眺めてるだけでも結構楽しいんだけど、
｢なにこれ、こんなの貼ってあったけ｣
檜山 ｢ん？プラネタリウム、、。へー、今度やるんだって｣
｢プラネタリウムって星見るやつだよね？｣
檜山 ｢室内で壁に映してくれるやつ。綺麗だよね。｣
お店の前に貼ってあった、朝はなかったチラシ。
夜空の背景にプリントされた白い文字に、なんとなく目を引かれた。
｢…檜山くん、これいけるかな？｣
檜山 ｢え？｣
｢Aちゃん、天文学部だよね？こういうの好きかな…？｣
檜山 ｢明日、会ったら聞いてみなよ。逃げられちゃったら残念だけど。｣
｢もうなんで敗北宣言すんの！行く！もう俺絶対行くから！｣
檜山 ｢無理だったら付き合ってあげるよ(笑)｣
ハハハ！じゃないよ檜山くん、、
どうか明日は目を合わせてお話してくれますように。なんて
もう沈みそうな夕日に、そっとお願いしといた。
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作者名：スイ. | 作成日時：2021年10月1日 20時
