39 drops ページ40
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｢檜山くん！｣
檜山「おー竜生、｣
正直、あの後しずくとどう別れたのか覚えてない
ただ、何を言われているのか意味が分からなくて
頭がそれでいっぱいになって
とりあえずこういう時は檜山くんに話を聞いてもらうのが1番、なんて思って
授業終わったら会えないかなって連絡した。
いつも遊びに誘う時とは文面の様子が違ったのか、
檜山くんも “分かった”って、それだけの返事。
とりあえず自販機で買ったジュースを片手に、コモンスペースの椅子に向かい合わせに座る。
｢ちょっと話したいことっていうか、聞きたいこと…があって｣
檜山「…どしたの？｣
こんなに俺が檜山くんの前で大人しいことってないから、
2人の間にいつもと違う空気が漂いだす。
変にざわつく胸が気持ち悪い。
早く喋っちゃおう。
それで、檜山くんに笑って貰えばいいんだ。
なんだそれって、お前そんなの気にしてどうすんだよ、って。
｢さっきしずくに会ったらなんか急に泣かれたんだけど…、
その時あいつがAちゃんのこと、"死に神"って言って、｣
檜山「、！｣
「でもそんなのおかしいと思わん？どういう意味か全然わかんないし。(笑)
ねえ、前からそんな風に言われてたの？
Aちゃんが死に神とか、なんでそんな呼ばれ方、｣
不思議と話すスピードが速くなってて
あ、なんか質問攻めみたいになっちゃった、、って思って顔を上げれば
目の前には明らかに動揺してる檜山くんがいて。
困惑したような、何かを考え込むような顔に
もっと胸がざわめいた
「なんでそんな顔、してんの」
檜山「、ごめん」
「Aちゃん、死に神なんかじゃないよね、」
檜山「…」
｢、うんって 言ってよ、｣
声が、無意識に震えていく
やっぱり檜山くんは、なにか知ってるんだ
檜山「……笠原が 死に神って呼ばれる理由、
一応無いわけじゃ無い｣
｢…え？｣
俺が言っていいのか分からないけど
竜生が知りたいなら、知ってることは話す。と。
黙って頷いたものの、俺こそ勝手に聞いていいのか分からなくて
とりあえず一回、深呼吸した
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作者名：スイ. | 作成日時：2021年10月1日 20時
