あのね、代わりになるよ救済ルート1 (ページ4)

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42話ページ4

ある言葉を言いかけたとき後ろから声がかかる
僕はゆっくりと振り向いた

鈴「A……？何言ってるの」

あぁ、そうだ彼女たちはすぐ後ろにいたのだ
そこを忘れていた
掠れた声で名前を呼ばれる
震える足取りで僕に１歩１歩近づく

鈴「Aが要石になるってどういうこと？！」

声を荒げる鈴芽ちゃんをなだめるように落ち着いた声音で話す

『……鈴芽ちゃん、これは僕自身が決めたことだ。ダイジンは十にもみたない子供だったんだよ』

鈴「それでも！Aが犠牲になる必要がどこにあるのよ！」

僕が犠牲になったくらいでなんだ
それでダイジンが生きれるのなら、幸せになれるのなら……

『ｯｯじゃぁ！ダイジンが今まで僕たちにしてくれていたことはなんだ？！君がダイジンに私の子になろうって言ったからダイジンは僕たちに開いた後ろ戸の場所を教えてくれていたんだろ！！』

その言葉にﾊｯとする鈴芽ちゃん
伸ばされた手を僕は払った
それに驚いた鈴芽ちゃんは目に涙をためて僕を睨む

それをみた草太さんが止めに入ろうとするが僕が制す

『何も知らない、知ることのできなかった子供を救いたいと思う…たとえ、僕が犠牲になったとしても！！』

ﾊﾟｧﾝ

その瞬間乾いた音が響いた
叩かれたのだ､、普段絶対にそんなことをしない鈴芽ちゃんが人を叩いたのだ

彼女の顔を見るとﾎﾞﾛﾎﾞﾛととどめなく涙が溢れている

鈴「馬鹿なこと言わないで！！私はAと一緒にいたいのに…！どうして！自分を犠牲にすることが怖くないの?！」

『うるさいなぁ！何だっていいだろう！』

違う…こんなことが言いたいんじゃないのに
僕の意思と反して思っていないことが次から次へと口から紡ぎ出される

ダイジンが不安そうに僕たちを交互に見る
駄目だ、落ち着こう
そう思って深く深呼吸して息を吐く

鈴芽ちゃんは膝から崩れ落ちていた

『……ごめんね、鈴芽ちゃん。僕はそれでもやらなきゃ』

最後の方は自分に言い聞かせるように呟いた
今はもう鈴芽ちゃんの顔が見れない

そして、ダイジンを抱き締めて意識を集中させた