53話 ページ16
鳥のさえずりで目が覚める
私は急いで支度を済ませて、向かうべきと頃へと自転車を走らせた
一際大きな昔ながらの家が見えてくると私は自然とペダルを漕ぐ脚が速まる
私は自転車を降りて苗字プレートに掛かれた《臼井》という文字をなぞった
震える手でインターフォンを押す
しばらくしてから女の人の声がした
[はい、どうなさいました?]
「私は岩戸鈴芽と言います。Aの事を話に来ました」
出来るだけ簡潔にまとめる
少し簡潔にし過ぎたかなと思ったけどAのお祖母さんは家の中へと通してくれた
祖母「Aは、、、どうなったのじゃ。ここ3日間連絡が取れぬ」
その声は僅かに震えている
「ッッAは、、要石となって常世に」
まだ言わなければならないことがあるのに、口が開かない。いや、開けないのだ
目の前に座るお祖母さんは静かに目を伏せた
私は持ってきていたあのネックレスを机の上に置いた
「これは、Aがいつも肌身離さずに持っていた大切なものだと聞いています」
祖母「あぁ、確かにそうだ。あの子が両親を感じられる唯一の物だったからじゃの」
ネックレスをなぞる手つきは、まるで壊れ物を扱うかのように優しかった
「どうか、これをAのお祖母さんが持っていてくれませんか」
そう言って前に差し出すと、お祖母さんはネックレスを手に取り私の手のひらへと乗せた
「え?」
祖母「これは鈴芽ちゃん、貴女が持っていてくれはせぬか?」
私がなんでと聞こうと口を開く前にお祖母さんが話始めた
祖母「私が持つには少し年を取りすぎている…あの子の親友である鈴芽ちゃんに託したほうが良いのじゃよ」
優しく微笑んだお祖母さんはとても綺麗で儚かった
私はお礼を言ってその場から帰ろうとしたとき微かに彼女の口許が震えていたのが見えて胸が苦しくなる
ありがとうございました
そう心の中で再度言って、その場を後にした
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もなか - う"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!結末、採用してくださってありがとうございます...!!!まだ完結していないのにもう泣いてますっ...これからも応援しています!!!! (2023年1月23日 17時) (レス) @page9 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:推しのために今日も生きる | 作成日時:2023年1月15日 15時