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26話 ページ28

橋を飛び出した鈴芽ちゃんの後を追い、ミミズに飛び乗る

回りにいた人たちが、カメラを向けていたことも焦った声を出していたことも分かったうえで追いかけた。その拍子に靴が片方脱げてしまったけど

鈴芽ちゃんがいたところのミミズが崩れた


『ヒュッ……鈴芽ちゃん!!』


手を伸ばしたが届かなかった
絶望していると草太さんが鈴芽ちゃんを助けたので一気に体の力が抜けていく

ダメだまだ安心出来ない
僕は鈴芽ちゃんと草太さんの場所へなんとか辿り着いた

赤い渦が東京の空を覆っていく
今まで柔らかかったミミズの表面は走っても問題ないくらいに固まっていた


草「もう、要石を刺すしか手はないんだ。ダイジンはどこに……!」


ダイジンがどこにいるのかも分からないのに闇雲にミミズの中心に向かって走っている
頭がおかしくなりそうだ
不意に聞こえてきた幼い声…忘れない、忘れることの出来ない声だ


ダ「すーずめ!」


思わず立ち止まる
声のした方を見ると細いミミズの部分に座っていた


ダ「みみずがおちて じしんがおきるよ」


嬉しそうに言うダイジンに2人は同時に叫ぶ


「ダイジン!」 「要石!」


走り出したと思った草太さんは軋むような音を立てて動きが止まった…
カタンと小さな音を立てて横に倒れた草太さん

鈴芽ちゃんがおそるおそるといった感じで椅子を持ち上げ、草太さんの名前を呼ぶ

けれど反応はしない


ダ「いまからたくさん ひとがしぬ」


鈴芽ちゃんの息を飲む音だけが鮮明に聞こえた


鈴「どうしてそんなことをするのっ?!あんた、いいかげん要石に戻ってよ!」

ダ「むり だいじんは もう かなめいしじゃない」


鈴芽ちゃんの願いはあっけなく却下された
ダイジンは鈴芽ちゃんが持っている椅子に飛び乗り何か囁いた

多分間違えてなければ《おまえがかなめいしだ》と口を動かした気がする

鈴芽ちゃんは怒ってダイジンを捕まえようとするが、いとも簡単に通り抜けられてしまう


『ダイジン…鈴芽ちゃん悲しんでるよ』


聞かれないように呟いた
不意に草太さんの声が聞こえる


草「……すまない、鈴芽さん Aさん」


言葉を続ける

「ようやく分かった―――今まで気づかなかった―――気づきたくなかった―――今は――」





  「俺が要石なんだ」

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もなか - 入りきらなかったので続きです→わがままですみません...でも、作者様の創るストーリー大好きなので、作者様の創る結末ならなんでも楽しんで読みます!!長々とすみませんでした...汗 (2023年1月5日 11時) (レス) @page34 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
もなか - はじめまして!この作品自体は前から知っていたのですが、コメントしていいのかわからなくて...最近、見かけるようになったので私も!!と思いまして...草太さん落ちとか、夢主ちゃんが草太さんの代わりに要石になる結末が見てみたいです...!これからも応援します!! (2023年1月5日 11時) (レス) @page34 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
美郁(プロフ) - めっちゃ主人公がどうなるか気になります!!凄い面白いです!! (2023年1月4日 14時) (レス) id: f0d1cce09e (このIDを非表示/違反報告)
ねね - 面白すぎです (2023年1月2日 23時) (レス) @page31 id: e2952ddb8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:推しのために今日も生きる | 作成日時:2022年12月8日 10時

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