【ダイヤのA】大きな背中【男主】

2nd.コーチとトレーナー ページ12

その日の部活終わり、寮の周辺をなんとなく歩いていると１人の少年を見かけた。

大きな鞄を持っているのを見ると新入生。しかも此処にいるってことは野球部の、だ。


なら遅かれ早かれ会うことになるのだから、挨拶くらいはしておこうと彼に近づく




『ねぇ、君、野球部の新入生？』



「へっ、お、俺！？」



『うん君』




彼はしどろもどろに頷いた。

......いきなり声かけたのはまずかったかな。




『突然声かけてごめんな。一応野球部のコーチなんだ』




「野球部の......！」




『俺、水原Aです。よろしく』




「おれっ、お、俺は沢村栄純と言います！！ここのエースになります！！」



突然の大物発言に目を見開く。

この子はまだ一年生なのにエースになるという大きな夢を持ってるのか。まぁそれは一年生だから、かもしれないけど。




『エース、か......うん、良いんじゃない。応援してるよ』




「アザッス！！お兄さんいい人ッスね！」




『俺、コーチな』




「すんません水原コーチ！」




"水原コーチ"

沢村くんにそう言われて、やっと実感がわいてきた。

いまコーチなんだよなぁ。

数年前までグラウンド走り回ってたってのに、年を取るのは早い。




『部屋は先輩と同室だっけか？ゲームに付き合わされて、朝起きれないなんてこと無いようにね』



「沢村栄純！その誓いを必ずや守らせていただきます！」



そう言い「では失礼しゃす！」と部屋を目指していく沢村くん。

頑張れ若人。




......まぁこの誓いが破られるなんて思ってもないんだけど。

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