冷静沈着な女医 Ⅶ 【コードブルー】 (ページ8)

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episode91 ページ8

負傷者の処置をしている時､シーバーから横峯の声が聞こえた

横「藍沢先生！桜坂先生が倒れました！」

処置をしていた手が一瞬止まった

すぐに処置を再開しながら､横峯の声をかけた

藍「症状は何が出てる」

横「喘鳴､チアノーゼ…体温も低いです！」

藍「喘息と低体温症か…。…そっちの患者はどうなってる」

横「……位置が違って…桜坂先生がもう一度切れって…」

藍「灰谷､横峯､どっちがやってる？」

横「…横峯です」

「もう一度切れ」と言ったが､横峯から返事はなかった

藍「灰谷はどうだ」

灰谷からも返事はなかった

藍「…シアンガス騒ぎの時､お前は臆病な自分を嘆いていた。

また後になって病院に戻ってから嘆くのか。それともここでその患者を救うのか。…決めるのはお前だ」

しばらく沈黙が流れた後､覚悟を決めたような声が聞こえた

灰「わかりました」

藍「…すぐに白石にモニターで指示を頼む」

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灰「守口さん､もう一度切らせてください」

守「もうほっといてください。…事故は､俺のせいなんだ…。

積み方ズレてるの気づいてて､でもやり直したら怒られるなって､怖くて､言えなくて…俺がビビリだから…」

灰「僕もそうです。僕は臆病で何をするにも出遅れる。やらなくていいならやらないってほうを選ぶ。

今日もそうでした。でも､今やらないであなたが死んだら､僕はもう自分を許すことができません。

…だから､お願いします。やらせてください」

守口さんは僕を見つめていた目を閉じると小さく頷いた

灰「じゃあ、いきますね」

僕は皮膚にメスを当ててスーッと引いた