冷静沈着な女医 Ⅶ 【コードブルー】 (ページ36)

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episode119 ページ36

『書類持ってきたよ』

スタッフステーションにいた耕作に書類を手渡す

藍「あぁ。助かった」

『…エボラ出血熱。発症後の死亡率は80%か…』

書類を渡した後､パソコンに映し出されていたエボラ出血熱の情報を見た

『……緋山､大丈夫だよね…。死なないよね…？』

耕作の肩に乗せた手が震える

怖い…。大切な仲間が死ぬなんて嫌だ…

涙で目の前がボヤけた時､頭に大きくて温かい手が乗せられた

藍「…大丈夫だ。緋山は死なない。

あの緋山だ。列車事故で心破裂した時も､助かっただろ？

今回もきっと大丈夫だ」

『…っうんっ…』

わしゃわしゃと頭を撫でられ、髪が乱れた

『もう…髪直さないといけないじゃん』

藍「…ようやく笑ったな。Aは笑っていた方が可愛い」

手ぐしで髪を整えていると珍しく耕作が微笑んでいた

『っ！…バカ…』

少し照れ臭くなって医局から去った

－－－－
〈同時刻〉

ベッドに腰掛けながらエボラについて調べていた

「あぁ､もう！」となり､目を瞑るとコンコンとドアを叩く音がした

緋「…はい」

緒「これって､入っちゃダメなの？」

緋「…緒方さん？……あっ！」

約束してたの忘れてた…

緒「あ、じゃないよ。ずっと待ってたよ。

こっちは立ってるのもまぁまぁしんどいんだぞ」

緋「ごめん。ちょっと緊急事態で…」

バタバタしてて､すっかり頭から抜けてたわ…

緒「名取先生､なんか自分が緋山先生に針刺しちゃったって言ってたけど」

緋「あいつ余計なことを…まぁ…緒方さんに話せたならそれはそれで良かったか。どうせ思い詰めてんだろうから」

そう言った瞬間､いきなりドアが開いた