冷静沈着な女医 Ⅶ 【コードブルー】 (ページ35)

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episode118 ページ35

HCUに入ると看護師に注意されている灰谷先生がいた

白「どうかした？…あとはこっちで話すよ」

看護師が遠ざかった後灰谷先生に話を聞いた

白「朝から何度も確認してるよね。あなたのオーダーは合ってる。大丈夫よ」

灰「…はい…でも……もう自分のせいで人が死ぬのは嫌なんです。

すみません。HCU見てきます」

立ち去ろうとする彼を呼び止めた

白「本当にうっかり落ちたんだよね？…駅のホームから」

灰谷先生は視線を落とすとポツリと呟いた

灰「あの時､一瞬思っちゃったんです。

…この一歩を踏み出せば楽になれるかなって」

白「！…」

当たって欲しくないことが的中した瞬間だった

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書類を取りに医局に入ると白石と橘先生が話をしていた

橘「まぁ､考えてもしょうがないな。悪い白石､帰る前に様子見に行ってやってくれ。

…お、丁度いいな､桜坂も白石と一緒に緋山の所行ってやってくれ」

「私も？」とそちらを見ると白石と目が合い､お願い！と言っているような視線を寄越された

『…はぁ､わかったよ』

橘「なんだ､喧嘩でもしたか？」

『私はしてないですけど､フェローの指導のことで白石と緋山が』

そう言うと橘先生は納得したような顔をした

橘「灰谷のことか。お前たちも相変わらず熱いね」

白「でも､緋山先生の言う通りかもしれないなって。

緋山先生や藍沢先生､桜坂先生の方がリーダーに向いてるんじゃないかって」

『私はそういうの向いてないよ』

橘「そうだな。正直桜坂は向いてないな」

「え…」ストレートに言われて少しショックを受けた

橘「ここだけの話な､俺も迷った。お前たちの誰にスタッフリーダーを任せるか。迷って､緋山に相談した。

そしたらな､あいつが言うんだよ。白石以外いないじゃないですかって。

私や藍沢はタフっていうよりも自分勝手なだけだ。

決断力があるように見えるのは､人のことを考えずに自分のことだけ考えるからだって。

桜坂も冷静に物事を判断出来るけど､意外とメンタルは弱いからって。

スタッフの苦労や悩みに耳を傾けられる､白石みたいな人間がリーダーにふさわしいって､あいつが強便にお前を推したんだよ」

緋山がそんな事を…

橘「まぁ､桜坂や藍沢はその頃には救命にいなかったからな。どちらにせよ､無理だったかな」

私は苦笑いしながら､書類を持ってその場から離れた