冷静沈着な女医 Ⅶ 【コードブルー】 (ページ34)

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episode117 ページ34

エボラ出血熱…俺のせいで緋山先生が

不安にかられスタッフステーションを出ると雪村さんが近寄ってきた

雪「名取先生ですよね､緋山先生に針刺したの」

名「なんだ､見てたの」

雪「心､痛まないんですか？」

その言葉に言葉が一瞬詰まったが､見透かされないように、強い口調で答えた

名「あの患者が感染症にかかってたのは俺のせいじゃない。

こんなの､普通ならただの針刺しのインシデント報告で済む話だ…それで済む話だったんだ」

俺のせいで緋山先生が死んじゃったらどうしよう…

－－－－

慎「ね､先生も学校行きたくない日ってたまに無かった？」

パソコンを打ち込んでいると､慎一くんに話しかけられ顔を上げた

灰「え…？あぁ､結構あったよ」

慎「やっぱり。先生は僕と同じ人種ってすぐにわかった」

灰「人種？」

慎「空気読むの苦手で､休み時間も1人でいるような人種」

灰「あぁ。どうでもいい本読んで､寂しくないふりとかしてたなぁ」

慎「え…僕､そこまでじゃないけど」

苦笑いすると慎一くんも笑い返してくれた

慎「信じてくれてありがとう」

その言葉がとても嬉しかった

HCUの扉が開くと桜坂先生と藍沢先生が入ってきたので近づいた

灰「桜坂先生､藍沢先生」

藍「腹痛の原因は見つかったか」

灰「いえ…」

藍「じゃあ､やっぱり仮病か」

灰「慎一くんは頭がいい子です。

胸を打ってお腹が痛いなんて辻褄の合わないことを言って､わざわざ疑われるようなことはしないと思うんです。

でも何もない…やっぱり入院させる必要なかったですかね」

すると黙ってカルテを見ていた桜坂先生が口を開いた

『検査は何か発見できる場合にだけ意味があるんじゃないよ。

何も無いと証明できれば患者は安心して家に帰れるでしょ？

気になったなら答えが出るまでやってみなよ』

灰「…はい」