冷静沈着な女医 Ⅶ 【コードブルー】 (ページ33)

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episode116 ページ33

相談室でAと検体の準備をしていると緋山が入ってきた

緋「これも送ってくれる？」

そう言うと緋山は血液の入ったサンプルをAに渡した

『誰のサンプル？』

緋「私の」

『えっ…？』

Aは驚きで満ち溢れた顔で緋山を見つめた

緋「現場でライン取るとき針が刺さった。しくじったわ」

藍「…わかった」

冴「失礼します。今､ICUで今朝の吐血の堀内さんが亡くなりました」

それを聞いて俺たちの間に緊張が走った

冴「渡航先もわかりました。ジャーナリストで西アフリカの各国を回っています。

自然保護団体の取材をしていて､動物との接触もあったようです」

緋「エボラとか…？(笑)」

俺とAは冗談っぽく笑っている緋山を見つめた

－－－－

橘先生に報告した後､緋山はすぐに隔離された

白石に言われ一緒に緋山の元へ向かった

ガウンを着て中に入ると､健康観察をしている冴島がいた

白「検査急いでもらうように頼んだ。明日のお昼には結果が出る。

症状が出てなければ人に感染させることはないから自宅待機でいいってことだけど､ここで我慢してね」

緋「心配しなくていいよ。あんたの家に帰ったりしないから」

白「え？」

緋「感染症かもしれない同居人が自分ちにいたら嫌だもんね」

白「なんで今そういうこと言うの」

緋「こっわ。あー､ちゃんとしたベッドで寝るの久しぶり」

そう言うと緋山はベッドに寝転がり伸びをした

白「じゃあ､どうぞごゆっくり。冴島さん､あとよろしく。桜坂先生､行こ」

『ちょっと待って。先に外出てて』

白石が病室を出たあと､緋山のそばに近づいた

緋「なに？あんまり近づくと移るよ」

『緋山ってさ､素直じゃないね。…きっと今､不安でしょうがないだろうに､それをみんなに悟らせないように気丈に振る舞ってる。

誰かに弱みとか吐き出していいと思うよ？…例えば､緒方さんとか？』

ニヤリと笑うと緋山にギロっと睨まれた

緋「弱みを吐き出すって…人に中々頼らないあんただけには言われたくないんだけど。

あと､なんでそこで緒方さんが出てくるのよ！」

『…思ってることは伝えた方がいいと思うよ。

じゃないと私達みたいに付き合うまでに拗れるよ。…じゃあね』

それだけ言って私は病室から出た