冷静沈着な女医 Ⅶ 【コードブルー】 (ページ29)

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episode112 ページ29

灰「おかしい…」

腹痛と胸痛を訴えている川田慎一くんのCT画像を見たが､何も見当たらなかった

川「何かあるんですか！？」

灰「…何も無い」

川「ちょっと脅かさないでくださいよ。仮病なんですから！」

慎「違うよ､ホントに痛いんだよ」

川「大体､なんで胸打ってお腹が痛みのよ」

慎「両方痛いんだよ」

もう一度慎一くんの胸と腹を触診した

灰「鉄棒から落ちて胸を打ったのは昨日の午後だったんだよね？」

慎「家帰ってから急に痛くなって…痛っ！」

灰「やっぱりここも痛いんだ…

じゃあ､次はエコー検査しましょう」

川「いや､先生もういいですよ！ホントすみませんでした。ほら､どこも悪くないって」

慎一くんを連れて帰ろうとするお母さんの方を見た時カーテンの反対側に桜坂先生と藍沢先生がいるのが見えた

灰「ちょっ…ちょっと待っててくださいね！」

川田さん達をを引き止めて､2人の元へ向かった

灰「桜坂先生､藍沢先生！あの､左側胸部を打った男の子なんですけど､腹部の軽い圧痛が気になるんです…」

『画像とデータは見たの？』

灰「はい。XPとCT､血算生化も一応」

『それで？どうだったの？』

灰「何も異常ありませんでした」

そう言うと2人は視線をこちらに向けた

厳しい視線に僕は「すみません」と謝るしか出来なかった

仕方なく慎一くん達の方へ戻ろうとすると､藍沢先生に声をかけられた

藍「ベッドの空きはあるのか？」

灰「え…はい」

藍「なら1日､病院で様子を見ればいい」

灰「はい！」

隣にいた桜坂先生は「どういうこと？」と言わんばかりの顔で藍沢先生を見ていた

僕は診察室に戻り､慎一くんのお母さんに告げた

灰「お母さん､入院しましょう！」

川「入院っ！？」