冷静沈着な女医 Ⅶ 【コードブルー】 (ページ23)

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episode106 ページ23

医局で書類仕事をしていると､私服に着替えた白石と書類を手に持った耕作がやって来た

耕作と顔を合わせるのが何となく気まずく､書類仕事をしたまま､2人の話を聞いた

白「藍沢先生だったらなんて言う？灰谷先生に。

ヘリに落ちたのも自分のせい､大島さんが亡くなったのも自分のせい…

事実は違うのに全部自分のせいだと思い込んでる…」

藍「ほっておけ。事実を客観視できない灰谷がバカなだけだ。

…なんだ」

白「私は灰谷先生のそういう所､嫌いじゃない。

それに､客観視できてないのは､灰谷先生だけじゃないと思う」

藍「…」

白「…じゃあ､2人ともお疲れ様」

『…お疲れ』

白石が医局から出ていき耕作とまた2人きりになった

気まずい…

書類を書いていると「おい」と声をかけられた

『！な、何…？』

藍「…それ､印鑑押してないぞ」

『あ､ほんとだ…。ありがとう』

印鑑を取り出して､押していると耕作はポツリと呟いた

藍「トロント大の件黙ってて悪かった…。風邪引いてたAに余計なこと考えさせたくなかった」

印鑑をデスクに置いて､顔を上げ耕作を見つめる

『…余計なことじゃない！…確かに､私達は幼なじみで恋人ってだけかもしれない。それに私の方が耕作に迷惑かけて頼りないかもしれない。

でもっ…1人で悩まないで相談してもらいたい！…頼ってもらいたっ…！？』

言い切る前に視界が突然真っ暗になった

『…耕作…？』

藍「…」

耕作に抱きしめられていた

そして､耕作の身体が細かく震えているのがわかった

藍「……少しだけこうさせてくれ…」

『…少しだけじゃなくて､気の済むまでしてていいよ…』

耕作の背中に手を回して､彼の心に寄り添うように抱き締め返した