冷静沈着な女医 Ⅶ 【コードブルー】 (ページ21)

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episode104 ページ21

新海先生がいなくなり､耕作と2人きりになった

『…トロント大を辞退ってどういうこと…？それに､奏ちゃんの手術は成功したんじゃなかったの…？』

藍「…そのまんまの意味だ。…成功はした。…だが､麻痺が残った。それだけだ」

『麻痺って……。あの時､私が耕作を呼んだから？』

藍「それは関係ない。…俺が約束を破っただけだ」

『…だとしても！…トロント大辞退する必要はないよっ…』

藍「……この後､調査委員会だろ。早く準備しろ」

そう言うと耕作は､廊下を歩き出して去ってしまった

っ…意味わかんない…なんで､何も相談してくれないの？

私…そんなに頼りない…？

遠ざかっていく背中を見えなくなるまで見つめた

－－－－

先日のヘリの墜落についての調査委員会が会議室で開かれた

相「問題はマスコミが着陸失敗のせいで患者が死んだかのように報じていることです。

本当に因果関係はなかったと言い切れるんですか？」

『モニターを通して見た限り､ヘリ到着時､すでに患者は手の施しようがない状態でした』

桜坂先生は淡々と答え､橘先生がそれに補足した

橘「そもそもドクターヘリの最大の目的は医師の現場への派遣と患者の治療開始までの時間短縮です。

それは今回もきちんと果たされていました」

相「つまり？」

橘「患者の死亡とヘリの着陸失敗に因果関係はないと言い切れます」

相「では問題は､ヘリの運航そのものということですね。

実際､着陸時はどういう状況だったんですか？」

その質問に早川さんは淡々と答え､当時の説明をした

早「機長である自分のミスです」

相「患者がみんな重傷だったんですよね。焦りがあったんじゃないですか？」

早「そうですね。聞けば必ず助けたくなって焦ると思います。

ですから私は､患者情報に関する無線は聞かないことにしています」

相「では操縦時の環境はいつもと変わらなかったんですね」

その質問に早川さんは少し間をあけながらも「はい」と答えた