冷静沈着な女医 Ⅶ 【コードブルー】 (ページ3)

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episode86 ページ3

『ｹﾎ…ｹﾎｯ…』

私も仕事しようとした時､桜坂先生が咳き込んだ

白「桜坂先生…？」

デスクに伏せて少し怠そうにしている桜坂先生に声をかけた

声をかけると桜坂先生はムクリと顔を上げた

白「大丈夫？体調悪そうだけど…」

『朝から少し風邪気味でさ…さっき念の為吸入したんだけどね…。咳が治んなくて…』

白「喘息あるから咳が治らないのは心配だね…。今日､無理は禁物だからね？」

『うん…』

心配だなぁ…最近の中で1番体調悪そうだし…

熱い息を吐く、桜坂先生を見ながら自分の仕事に戻った

－－－－

天野奏に謝るため､プレイルームに向かっていた

Aには…真実を話したくないな…。

真実を知ったらあいつは自分を責める…

考え事をしている内にプレイルームに着くと､天野奏がピアノの前に座っていた

弾こうとしても指が細かく震え､不協和音が響いていた

その姿を見て俺は彼女に声をかけた

藍「すまない」

俺の声に反応して彼女は振り返った

藍「…元通り､ピアノを弾けるようにできなかった」

奏「大丈夫。リハビリ頑張るから。

凄く頑張れば､前みたいに弾けるようになるんだよね？」

藍「……」

奏「…藍沢先生？」

彼女の問いに俺は答えることができなかった

すると､胸ポケットに入っているスマホが鳴った

藍「…悪い。また後で来る」

俺は逃げるようにプレイルームを後にした