冷静沈着な女医 Ⅶ 【コードブルー】 (ページ18)

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episode101 ページ18

白「かすかに意識あるわ。チャンスあるかも」

男性の挿管をしてから灰谷先生を呼んだ

白「開胸するからフォローお願い。大動脈を遮断して脳への血流を確保する」

灰「はい」

メスを受け取り､男性の胸を大きく開胸した

灰谷先生が創を広げると雪村が焦った声をあげた

雪「頸動脈､触れません」

白「心停止する。どいて」

開胸した部分に両手を入れ､直接心臓マッサージをするが､何か違和感がして男性の胸の中を覗いた

白「後縦隔に酷い血腫。大動脈損傷がある。これじゃ遮断できない…」

その時､救急車の方から救急隊員の切迫した声が聞こえてきた

救「先生！腸管がどんどん出てきてます！」

このままじゃ､1人しか助からない…

私は胸から手を抜いて､決断した

白「この男性は諦めて､ほかの2人を助けましょう。おばあさんを診てくる」

灰「は､はい…」

痛む足を引きずりながら､おばあさんが乗っている救急車の方へ向かった

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美「将くん…将くん､しっかりして…」

白石先生がいなくなった時､もう1台の救急車の方から声がした

美「先生…先生､助けて。将くんを助けて！」

まだ可能性はある､そんな希望を持って僕は心臓マッサージを再び開始した

灰「エピネフリン入れよう」

雪「は､はい」

美「将くん…聞こえる？大変なことになっちゃったね…これから結婚式だっていうのに」

結婚式という単語に思わず顔を上げた

美「…式場でみんな､心配してるかな…。…だから先生､助けて…結婚式､やらせて。

今日じゃなくていい。元気になってからでいい。ずっと先でいい。

先生お願い､助けて！」

僕はさっきより心臓マッサージをする強さを上げた

雪「反応あります。手が少し動いてます！」

まだ助かる可能性はある…！戻ってこい…！