冷静沈着な女医 AfterStory IV 【コードブルー】

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『ｺﾞﾎｯ……』


胸の痛みで薄らと意識が戻り､自分の体の状態を見ると頭とお腹から血が出ていて､折れているのか足に激痛が走った。



……私……このまま死んじゃうのかな……。


雨で体の芯まで冷やされる。

唯一動く腕を動かし､スクラブから無線を取り出す。



繋がるかな……。



『……しら、いし……』


無線に向かって声をかける。



白「…桜坂先生？！良かったっ…今、何処にいるの？」



『ほら…穴……下の……ほう……。あのね…子ども…たちと……こう…さく…に……ごめん……って…つたえて……』


言いたいことを何とか伝え､伝え終わった瞬間腕の力も抜けて無線が転がり落ちた。




白「桜坂先生？…桜坂先生！！」


雑音が聞こえた後、無線が繋がらなくなった。


このままだとまずい……。



白「レスキュー！洞穴がある辺りの下の方を探してください！恐らく､そこに土砂崩れに巻き込まれた負傷者がいます！」


考えるよりも先に言葉が出た。



診ていた患者を近くの病院に搬送させた緋山先生達もちょうど戻ってきた。



緋「白石､桜坂から連絡は？」


白「来たには来た。でも…声に力が無かったし､一刻も早く見つけない命がもたないかも…」


冴「藍沢先生には……連絡しますか？」


藤「…俺がするよ。橘先生にも伝えておく」


白「…お願い」



藤川先生が連絡をしている間に、レスキューよりも先に高塚先生達から桜坂先生を見つけたと連絡を受けた。

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