冷静沈着な女医 AfterStory IV 【コードブルー】

episode23 ページ23

2人がギクシャクし出してから早くも数日経った。


桜坂先生は体調を崩し熱が下がらず､藍沢先生は仕事に没頭していた。


こんな状態の2人は初めてのことでなんて声をかけたらいいのか分からなかった。



でも…このままでいいわけないし…。


向かい側で仕事をしている藍沢先生に話を聞こうと腰を上げた時､院内スマホが鳴った。


冴島さん？


白「白石です。どうかしたの？」


冴「桜坂先生が吐血しました！」


白「吐血…！？…わかった、すぐに行くね」



藍沢先生と話をするのは後にしようと急いで桜坂先生の病室に行こうとした時藍沢先生に引き止められた。



藍「………何があった」


白「…桜坂先生が吐血したって。…藍沢先生も来て！」


藍「お、おい！」


ギクシャクしてようが関係ない！あの子には藍沢先生が必要なんだから…！


藍沢先生を椅子から立ち上がらせると、桜坂先生の病室へ急いで向かう。


『…っ……うぅっ…っっ…』


病室に入ると冴島さんに背中を摩られながら苦しそうにしている桜坂先生がいた。


冴「点滴を替えに来たら苦しそうにし出して､さっきからこの状態です！」


白「内視鏡室空いてるかな？すぐに内視鏡検査しよう！」


ベッドのまま病室から出そうとした時、ずっと無言だった藍沢先生が動き出した。


藍「これで運んだ方が早い。…冴島悪いが点滴スタンド頼む。白石は先に内視鏡室行って準備してくれ」



そう言った藍沢先生は意識が朦朧としている桜坂先生を横抱きした。



『……耕……』


藍「……すぐに楽になるから」


藍沢先生は慈悲に満ちた目で桜坂先生を見つめていた。



このまま仲直りしてくれればな…


そう思いながら私は内視鏡室へ向かった。

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