【◇】稲実エースが惚れちゃった (ページ39)

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*成宮side*

「気持ちは嬉しいよありがとう。でもごめん。」
「付き合ってる人、いるの？」
「いないよ。でも俺、今野球が一番大事だからさ。」
「....さっき一緒にいた女の先輩は...？」

待て待て待て。
A先輩と一緒にいるところ見てたとか
この子いつからここにいたんだ？

「あの人は野球部のマネージャーだから、関係ない。」
「私、この前あの人が告白されてるところ見たよ。
凄く嬉しそうに、相手の人と仲良くしてた。
付き合ってるんじゃないかな？？」
「それで？？」
「成宮君、騙されてるよ。きっと男の人にモテたい
からマネージャーなったんだろうし、本当は、私も
野球部のマネージャーに---」

なんだこの女。
最初は好意をもってもらって喜んだけど
マジでその時間返せ。

「いい加減にしてくんない？さっきから何？
いくらなんでも先輩のこと悪く言うのは許さねぇ。」
「その先輩のこと、好きなんだね。」
「...だったら何？」
「分かった。でも私も、諦めないから！」

諦めろ。
他人の悪口言ってのし上ろうとするような女、
死んでも好きになんねぇよ。

その女は言いたいことだけ言って、帰っていった。

.........そもそも誰だよ！！

あぁもう、せっかくA先輩(とその他大勢)と
楽しいクリスマスの思い出に浸ってたのに
台無しだよ！！！

そうだ、落ち着かせるためにプレゼントあげた時の
A先輩の喜んだ顔を思い出そう。
うん、落ち着いてきた。
先輩かわいい、好き。

ああーA先輩に会って癒されたいなー。
さっき別れたばっかなのに、もう会いたい。

カ「お。おかえり鳴。」
白「思ったよりテンション低く帰ってきた。」
矢「もっと聞いてモード予想してたのにな。」
成「ちょっと聞いてよー！！！」
山「予想と違うトーンだな。」

さっきの女のことをかいつまんで話す。

白「A先輩のこと悪く言われて黙って帰ってきたのか？」
成「そんなわけないじゃん！？」
矢「A先輩のことを先輩って言ってたってことは
　俺らとタメってことだよな？」
白「その女、野球部に二度と近寄らせるなよ。気悪い。」
成「近寄らせるなって言ったって、俺も知らないよ！」
白「お前のことを好きな女だろ、お前が責任持て。」
カ「その子、諦めないって言ってんだろ？要注意だな。」
成「なにが？？」
カ「今のこの状況で、一番に矛先が向くのは？」
山「A先輩。」
成「噓でしょ、そんなことする？」
カ「女の嫉妬は怖いぞ～、鳴。」