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確かに、成宮の姿がない。
出店には、前キャプテンと告白してくれた先輩もいた。
「如月、浴衣似合ってるよ。」
『あ、ありがとうございます...。』
振った私のことをこんな風にさらっと褒めてくれる所、
できた先輩というか、さすが大人だ。
思わず照れてしまった。
近くで見守る1、2年一同の心の声↓
「「「(鳴がいなくてよかった...)」」」
と、思っていたのも束の間。
成「来るの遅れたー!もうクラスの人たちが全然
こっちに行かせてくれなくてさ、参っちゃうよねー!!」
白「来た。」
カ「坊やのお出ましだな。」
平「ちょっと、Aと先輩まだ一緒じゃん。」
吉「なんならAまだ照れてんぞ。」
原「俺は知らねぇ。」
先輩と話していると、成宮がやってきた。
*成宮side*
早く野球部の方に行きたかったけど、クラスの人達が
なかなか教室から出してくれず、出遅れた。
出店に到着したら、いつものメンバーに
前キャプテンと横井先輩もいた。
A先輩は、まだ来てないのかな。
俺は制服姿のA先輩を探していた。
近くに、なんか浴衣美人がいるなとは思っていたけど
3年の引退した先輩と話しているから、
あの先輩、彼女出来たんだとか思っていたら
振り向いた浴衣の人がまさかの顔。
しかも、少し頬を赤くしている照れ顔だ。
ええええええええええ!!?
A先輩じゃん!!
しかも何で照れてんのさ!!!
てか、え、何、浴衣着るとか聞いてないけど!?
白「成宮うるさい。全部声に出てる。」
カ「さっさとA先輩のとこ行けよ。」
成「言われなくても行くよ!!!」
平「さー俺たちは焼きそば作ろうか。」
吉「一番売上良かった所には、景品あるんだろ?」
原「食堂1週間無料らしいぞ。」
吉「マジか!1位狙うしかねぇな!」
成「ちょ、ちょちょちょっとA先輩!
浴衣着るとか俺聞いてないよ!」
『言ってないもん。』
成「なんでさ!俺一番に見たかったのに!!!」
『もういいじゃん、今見たんだから。』
「お前ら、相変わらずだなぁ。」
先輩は俺たちの言い合いを見て、にこにこ楽しそうだ。
はっ!!
そうだ、たしか先輩は夏にA先輩に告白したんだ、
A先輩は付き合わないって言ってたけど
さっきのいい雰囲気は、なに!?
「じゃあ俺行くわ、ちょっと顔出しただけだし。」
『あ、はい、ありがとうございました。』
「成宮、そんな心配すんな。俺とっくに振られてるから。」
「え、いやっ、あの...!」
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作者名:mari | 作成日時:2022年8月12日 12時