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しばらく経ち、成宮が通常通り部活に
復帰をしたものの、いざボールを投げてみると
以前とはまるで別人のようになっていた。

原因は、投球フォームの崩れ。

無理もない、成宮はそこまで追い込まれていた、
いや、自分を追い込んでいたんだ。

そんな状態でも前を向いて頑張る成宮に
何かしてあげたいと思うも、私ができることなんて
いつもどおり練習のサポートをするくらいだ。



秋大に関しては、本戦3回戦で敗退。
成宮は一度も投げていない。

ただ、その間に同学年の井口っちゃんが
ぐんぐん成長している。
これはチームにとって嬉しい出来事だ。

今後、いくら成宮が復活して凄いプレーをしようとも
一人で最後まで勝ち上がれるほど、高校野球は甘くない。



成宮はというと、思っているようなボールが投げれず
四苦八苦しているけど、以前のような影はもう見えない。

今の自分の現在地をしっかりと受け入れ、
前を向いて今できることを頑張っている。

いい意味で、貪欲になった。



そんな中、今日は一年に一度の学校の文化祭。

いつも部活に追われているみんなも、
この日は普通の学生らしく楽しんでほしい。

野球部で一つ出店をやるのが毎年の恒例で
今年は焼きそばだ。

そしてマネージャーの私は呼びこみのため浴衣を着せられる。
発案者は、雪先輩だ。
準備や当日の当番は、現役組が行なうが
3年生達も遊びに来てくれたり、手伝ったりしてくれる。


『私一人で着るんですか?雪先輩も着てくださいよ〜。』
「私は現役じゃないし、クラスの方でも別の衣装を
着ないといけないから、ごめんね〜!!」
『全然ごめんて思ってないですよね。』
「へへ、バレた??はい、ヘアセットもできたよ!
うん、可愛いよAちゃん!!!」
『えええ、なんかみんなの前に出るの恥ずかしいです...』
「何言ってんの、みんなに見せないでどうするの!
ほら、行くよ!!」


ぐいぐいと凄い力で引きずられる。
雪先輩は、かなり行動力のある先輩だと
いうことを忘れていた。


「みんなお待たせ!Aちゃんの準備できたよー!」


雪先輩の声をきっかけに、その場にいる野球部が
全員こっちを振り向く。


カ「おっ、浴衣美人♪」
矢「A先輩、可愛いっす!」
平「いいじゃん、A!似合ってるよ。」
原「宣伝効果、抜群だな。」
平「吉沢もなんか言いなよ。」
吉「は、ええ!?...似合ってる。」
原「お前照れてんのか。」
吉「うるせぇ!」
白「一番騒ぎそうなヤツがいませんね。」

28→←26-成宮side-



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作者名:mari | 作成日時:2022年8月12日 12時

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