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*主人公side*


祝賀会もお開きになり、通学組もそろそろ帰宅、
寮のメンバーもそれぞれの部屋に戻り始めた。


『雅、今日はなんか成宮が送ってくれるらしい。』
「鳴が?よかったじゃねぇか。」
『何が。』
「お前ら試合後から変な感じだったろ。しっかり話せよ。
そんであいつを元の状態に戻してくれ。今後の試合に影響しそうだ。」
『私にそんなパワーあるとは思えないけど。』
「あるさ。鳴はどう見てもAに一番懐いてんだろ。」
『...........。』
「むくれんなよ。」
『ふふっ。そういえば雅に、面と向かってまだちゃんと
言ってなかった。優勝おめでとう、甲子園も頑張ってね。』
「あぁ、ありがとな。これからもサポート頼む。」
『試合見ててさ、稲実の2番が似合う男になったな〜って思ったよ。』
「.......。」
『照れんなよ♡』
「うるせっ。」


成「ちょっと、何二人で楽しそうに話してんの!?」
原「うるせぇのが来たな。」
成「雅さんひどっ!」
 『はいはい。成宮、送ってくれるんでしょ。帰るよ〜。
  雅、また明日ね。』
原「気を付けて帰れよ。」


寮をでたら途端に周りが静かになる。
成宮から送るなんて言ってくれたのは、初めてだ。
今日のこと蒸し返されるんだろうか....。
どっちにしても、知られたからには私もちゃんと話さないといけない。


「A先輩、俺さ---」
『ちょっと待った。』
「え?なに?」
『私から話す。今日の先輩とのこと。』
「いい!聞きたくないし。」
『うん、だから..........え、聞きたくないの?』
「聞きたくない!」
『そう、ですか...。』


球場ではあんなに何の話だと聞いてきたくせに
いきなり聞きたくないとは何事?
ちょっと成宮が何を考えてるのかわからん。


「...俺、先輩のこと好きなんだけど!」
『うん、知ってる。』
「は??」
『だから、先輩として?好きなんでしょ、私のこと。
前から言ってくれてるじゃん。』
「..........。」


さすがにいつもA先輩A先輩と
懐くてくれてるところを見ると、好かれてるのはわかる。
私だって、成宮のことを後輩として可愛がってるつもりだ。


『どうしたの?黙っちゃって。』
「何でもないよ....。」
『???』


その後もいろいろ話しながら帰ったけど
成宮はなんとなく元気がないような気がする。


別れ際---

『送ってくれてありがとう。気を付けて帰ってね。』
「うん、おやすみ。」


後ろを向いて歩きだした成宮だが
立ち止まって振り向く。

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作者名:mari | 作成日時:2022年8月12日 12時

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