【◇】稲実エースが惚れちゃった (ページ16)

今日:39 hit、昨日:64 hit、合計:55,971 hit

15 ページ16

*成宮side*

俺たち稲実野球部は、夏大決勝も勝利をおさめ
見事、西東京都大会優勝。

女の子に人気も出ちゃってもうしょうがないよねー！
けど俺が一番褒めてほしい人は、もちろんA先輩！！
なんてったって、A先輩は俺のことを
未来のエースとして期待してくれてる人だからね！

女の子達との会話もそこそこに、集合のバスへ戻る。

カ「お、坊やのお戻りだな。」
白「お前早く帰る準備しろよ。」
成「あれ？A先輩は？？」
カ「スタンドに忘れ物チェック行ってくれてる。」
成「じゃあ俺も行ってくるー！！」
白「待て、もう大人しくしとけ。」

白河が後ろでなんか言ってたけど、無視無視。
少し歩くと、A先輩と3年の先輩が歩いてくるのが見えた。

「Aせんぱーいっ！！」
『あ、成宮。』
「じゃあ俺、先に戻ってるな。」
『はい、私もすぐ戻ります。』

そういうと、3年の先輩は一人でさっさと戻っていった。

「....珍しい組み合わせじゃない？」
『そう？』
「二人で何話してたの？」
『.........。なんでもないよ。』
「今の間、なにさ！」
『だから成宮に話すことは何もないってば。』

俺には関係ない、そう言われたような気がした。

「もしかして、告白されちゃったりして！なんて---」

俺がそう言うと、A先輩は顔を背けた。
髪の毛の隙間から見える耳が赤く染まっている。

「........マジ？？」
『もうこの話は終わり。もうすぐ集合時間だし、戻るよ。』

A先輩はそそくさと戻ってしまい、
俺はしばらくその場から動けずにいた。

冗談で言ったつもりが、マジだった。

.....え？？
さっきの3年の先輩はレギュラーで大人気の人だ。
今日の試合でも守備、バッティングでも大活躍。
あんな人に告白されて、OKしない女子なんているの？

しかも俺、一番大事なことA先輩に聞いてない！！！

告白の返事、何てしたんだろう。
OKしたのかな。

てか、なんでせっかく優勝した日にこんなモヤモヤ
しないといけないんだよ！？

あ－－－、もうっ！！
ねぇ、これどうすればいいわけ！！？

バスに戻ると、A先輩は雅さんの横に座り
俺は3列後ろの斜めに座る。
さっきの3年の先輩は後ろの方に座っている。

カ「なんで如月先輩と別々に戻ってきたんだ？あいつ。」
白「さぁ。また拗ねてるしほっとけ。」

とりあえず、A先輩を見たいのに、雅さん邪魔！！！