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バレンタイン1 ページ20

A:18歳 一也:11歳 の冬---



私は2学期のうちに推薦で無事大学に合格し
免許を取りに行ったり、アルバイトに明け暮れていた。
そんな中、実は彼氏ができていたのだ。

クラスで仲のいい男の子で、高3の文化祭で告白をされて
晴れてお付き合いをすることに。
といっても、健全なお付き合いなので後ろめたいことは
何もないが、私以外、男二人の家庭なわけで
言うタイミングを逃していた、というより
なんとなく恥ずかしくて、言っていなかった。

そんなある日。



一也「ただいま〜。」

『おかえり!』

一也「すげー甘いにおいする。チョコ作ってんの?」

『うん、もうすぐバレンタインだからね〜。
毎年お父さんと一也に甘くないやつ用意してるでしょ?』

一也「俺、甘いの苦手だけど、ねえちゃんの作るチョコは好き。」

『うっ.....。』

一也「心臓おさえてどうしたの?」



あああああ〜〜〜〜、聞きましたかみなさん!
普段なかなかデレない一也の、さりげないデレ!!!
かわいいかわいいかわいいかわいいかわ(以下略)

心臓にどぎゅんっときました。
一也は私をキュン死にさせる気ではないでしょうか。



一也「あれ?なんか数多くない?ゆみちゃん達のも作ってるの?」

『え?あー、それもある、けど。』

一也「けど?.....もしかして、好きな人とか?」

『...好きな人というか、か...れし......。』

一也「.........。ねえちゃん、彼氏いたんだ。」

『うん、去年の秋から。言うのもなんとなく恥ずかしくて。』

一也「ふーん。」

『あれ?一也どこ行くの?』

一也「バット振ってくる。」



声をかける暇なく、行ってしまった。
なんかものすごく機嫌が悪かったような...。
まさか私に彼氏ができたことにやきもち焼いてるとか?
いや、ないない。自惚れるな私。
成長するにつれてわりとドライになった一也に限ってそれはないな。

その日は一日中、一也がなんとなく冷たくて
それはもうお姉ちゃんは悲しかった。

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作者名:mari | 作成日時:2022年7月26日 0時

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