AVNTIS (ページ17)

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エイジside

買い物を終え店の中を見る。

同じ店で服を見ていたはずのAがいなくて、俺はすぐに店を飛び出す。

「(どこにいんだよ！)」

人にぶつからないように気をつけながら探していると、知らない男と話しているあいつがいた。

「俺の連れに触んな」

俺は自分でも驚くぐらい低い声が出た。

(？)「チッ、めんどくせー」

「お前な！急にどっか行くから焦っただろ！」

俺は焦っていてAに怒ってしまった。声は大きくないにしろ、怖かったはずだ。

案の定Aは黙り込んでしまって、顔を覗き込むと、

「は、ちょ、何で泣いてんの！」

Aの目からはポロポロと涙が出ていて、Aがいなくなった時と同じぐらい焦った。

貴「泣いてないっ」

「あー、もう」

思いっきり泣いてんのにそう言うから。

勝手に腕が動いていた。

こいつを引き寄せたのに自分も驚いて。だけど今離すべきではないと思った。

「心配させんな。」

声が震えてるのバレたかな。こんなに焦ったの初めてなんだよ、ってやり場のない気持ちを胸にしまう。

貴「捨てられるかと思った」

やっと喋ったと思ったらそんな事言うし、

貴「だって、いっつも怒らせちゃったら捨てられてて。あっ。」

自分で言ったことに驚いていた。だけど無理には話させたくないから。

「A、俺は絶対にお前のこと離さねぇから、安心しとけ。後、無理に話さなくていいから。」

俺らしくないけど伝えたいからこんなにキザな言葉を言った。

そしたら、やっと顔上げてくれたから俺はAの背中に回していた手でそのままこいつの手を掴んで歩き始めた。

「服とか買ったからもう帰ろっか」

貴「服、帰ったら見せてね」

「ファッションショーだファッションショー。」

自分の選んだ服を早く来て欲しくて、語尾に音符が付くぐらいでそう言った。