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「これはものすごい言い訳になってしまうんだけど、土曜日まさか2人の予定だとは思わなくて。森川も何も言わずに来てくれたから。でも今日全部聞いて合点がいったよ、あの装いはこうちゃんのためだったんだもんね」
何も言えなくなる俺を見て、少し迷ったように河村さんはそう口にする。
「誓って森川と僕は何もないし、僕は僕で想いを寄せてる人がいる。…だからね、こうちゃん、今回の件に関しては僕が言えたことじゃないかもしれないけど。…森川の話を聞いてやってほしい」
納得がいくようないかないような不思議な感じだった。確かに優しいAのことだし、そんなに親身に何度も話を聞いていればそんな急展開、話を聞いてやりたいと思うんだろうな。確かにそれは簡単には俺には言えないよな。…でも、天秤にかけられてそっちを取ったことはやっぱり悲しくて、でもそれは、もう河村さんの関係ないこと。俺ら2人の問題。
「こうちゃん」
ちゃんとAと対峙するのが久しぶりなように感じた。つい昨日だって会っていたはずだけど、玄関越しに、目もろくに合わせてなかったんだと気付く。
「…土曜日、本当にごめんね。その日の朝行かないとか、他の男の人と会うからって、…すごく嫌な気持ちにさせちゃったなって」
「…うん」
「謝ったから許して、は違うと思ってる。こうちゃんに今すぐ水に流して欲しいとは言わない。…でもね、もういい、は私も嫌だったよ」
「…うん、ごめん」
もういいって、それだけで相手を十分拒絶してしまうんだと、いつかAに言われた。もう言わないと思っていたのに、衝動的に口にしてしまったその言葉。俺も全然伝えてなかったね。俺も許してとは言わないから、そう言ってしまった理由を、遅いけど、言わせて。
「…俺、めちゃくちゃ楽しみにしてて、だから急に行けないって、河村さんに会いに行くって聞いて…すごいテンパっちゃった。ごめんね、もう少し冷静でいるべきだった。さっき河村さんから話聞いて、Aならそうするんだろうなってちょっと納得した。…全然余裕なくてごめんね」
いつの間にかAは目にいっぱい涙溜めてて。ああもう泣かないで、これから仕事するんでしょ。Aは笑ったほうが可愛いから。恐る恐る手を伸ばしてその小さな頭を撫でる。唇を噛んで俺を見上げるA。
もう、謝らないでいいからさ。
「今度こそ、ちゃんと2人でデートしよう」
もう一回、俺のために可愛くしてきてよ。俺もAの自慢の彼氏でいれるように頑張るから。
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黄色い恐竜(プロフ) - 絢瀬さん» コメントありがとうございます！読んでいただけたのも嬉しいです……！ぼちぼちまた2人で書きますのでよろしくお願いします！ (2020年12月21日 15時) (
レス) id: 110633540f (このIDを非表示/違反報告)
絢瀬 - 本日一気見しました！更新お待ちしています (2020年12月17日 22時) (レス) id: 38bfafd10d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早瀬と恐竜 x他1人 | 作成日時：2020年11月11日 14時
