Monday ページ45
あれから広いベットで眠れずに悶々と過し、始発の時間に合わせて家を出た。話を聞いてくれないことに対する苛立ちと、それでも優しいこうちゃんに対するもやもやと、やっぱり予定をドタキャンしちゃった私が悪いよなぁっていう自己嫌悪が溜まっていく。徹夜が効いたのか帰ってからは泣きながらふて寝して、起きたらお腹が減ったからお菓子を買い込んでめちゃくちゃに食べた。おかげで今日は週の始まりだと言うのにニキビと出社することになってしまって、自分が悪いって言うのにかなりメンタルがやられている。もう！
「おはようございまあす」
「おはよう森川。一昨日はありがとう」
河村さんが悪いわけじゃないし、私はあのとき間違ったことをしたとは思ってないし、なんなら過去に戻ったとしても絶対同じことをする。当てつけかもしれないけど、でもお世話になってる先輩の力になりたいって悪いことだとは思えないもん。その選択をした私のことを否定したくない。
「けんか、しちゃって。こうちゃんと」
だけどそれとこれとは話は別で、ずっと仲良しだったこうちゃんとこんな形で話をできずにいるのはかなり堪えている。無性に話を聞いて欲しかった。こうちゃんが聞いてくれない分、誰かに。
「……え、待ってそれ僕のせいじゃん」
事の顛末を洗いざらい吐き出すと河村さんは至極申し訳なさそうに頭を抱えてそう言った。謝って欲しくて言ったわけじゃないけど、河村さんの立場からしたらそう言うしかないよねえ。そんな簡単なことに気回らないなんて余程やられてるな。ごめんなさい、河村さん。
「河村さんのせいじゃないです。だってそういうんじゃないもん」
「そうだけど、そうじゃないでしょ。僕がこうちゃんの立場でもたぶんちょっと怒るし傷つく」
「傷つく？」
「うん。なにはともあれ僕がなかなかに悪い。僕からちゃんと誤解を解くから、森川はそんな顔しなくていいよ」
「……どんな顔ですかぁ」
「今にも泣きそうな顔」
泣き尽くしたと思ってた。ごめんね、と言った河村さんには何も言えず、首を振ることしかできない。だって河村さんは悪くない。悪くないけど、こうちゃんは私の話を聞いてくれないから河村さんに話してもらうしかないような気もしてて、それがなにより悲しかった。二人のことを二人で解決できないような、そんな風なつきあい方も向き合い方もしてない自信はあったから。
もうそろそろこうちゃんも出社するだろうと思うとなんだかすごくやるせなくて顔をあげられなかった。このまま下を向いてたら、本当に涙がこぼれてしまいそうだ。
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黄色い恐竜(プロフ) - 絢瀬さん» コメントありがとうございます！読んでいただけたのも嬉しいです……！ぼちぼちまた2人で書きますのでよろしくお願いします！ (2020年12月21日 15時) (
レス) id: 110633540f (このIDを非表示/違反報告)
絢瀬 - 本日一気見しました！更新お待ちしています (2020年12月17日 22時) (レス) id: 38bfafd10d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早瀬と恐竜 x他1人 | 作成日時：2020年11月11日 14時
