Saturday ページ41
ひさしぶりのデートだから今日は朝からめちゃくちゃしっかり準備をしてる。朝早く起きて服を全部引っ張り出してはあれじゃないこれじゃないって大慌て。実を言うとこれはこうちゃんとつきあう前から変わらない私のルーティーンだった。前日までに全部用意しとけばいいのに、1回目のデートで失敗しちゃったから絶対当日に全てを決めるようにしてるんだ。こうしてデートの準備をする度にいきなり寒くなった初デートでこうちゃんが上着を貸してくれたことを思い出してはニヤニヤするところまで毎回やる。
こうちゃんが褒めてくれたフレアスカート着ていこうかな。くるって回ってふわふわするスカートが好きらしい。女の子っぽいのが好きなんだなぁと知ってからは私のクローゼットにスカートが増えた。
「ん、こうちゃんかな」
スマホが鳴った。私寝坊とかしたことないのにこうちゃんはよく「起きてる〜？」って聞いてくる。たぶん今起きたんだろうなぁって私分かってるんだからね。
と思っていたけど今日は違った。不在着信は河村さんからで、大体何があるか想像できるほどには最近の私たちは仲が良かったりする。元々不仲だったとかではないけど、上司と部下というよりは仲良いし同僚ってほど遠くもない。なんていうかそう、友達、みたいな。
「もしもし、河村さん？」
『ごめん。取り込み中だった？』
「大丈夫ですよ〜！なにかありました？」
『実はさ…』
河村さんは最近転職してきた人に片思いしていて、私はその人に可愛がってもらってるからなにかアドバイス頂戴ってことで色々話を聞いているのだ。さっぱりとした彼女に対してどうやってアプローチをしたらいいか分からないんだ、と俯きながら言った河村さんが可愛くて、ここのところずっとそんな話ばかりしている。
この前の昼もそう。飲みに行こうって誘いたいんだけどっていう内容の相談を受けていた。もしかしてそれがどうにかなったのかな！？
『飲みに行くことになったんだよね』
「マジかぁ〜！おめでとうございます！えっえっやったじゃないですか！！」
『……森川、今日なんか予定ある？相談乗ってくれない？』
「えっ」
予定はある。それはそれは大事な予定。ひさしぶりのデート。
だけど河村さんは今きっとすごく緊張していて、誰かに話を聞いて欲しいんだ。……同じようなときに私も乾に助けて貰ってたからよくわかる。
お世話になってる先輩で、今では恋を応援してる友達だ。
「……行けます！どこ集合ですか！」
ごめんこうちゃん、絶対埋め合わせするから今日だけは許して。
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黄色い恐竜(プロフ) - 絢瀬さん» コメントありがとうございます！読んでいただけたのも嬉しいです……！ぼちぼちまた2人で書きますのでよろしくお願いします！ (2020年12月21日 15時) (
レス) id: 110633540f (このIDを非表示/違反報告)
絢瀬 - 本日一気見しました！更新お待ちしています (2020年12月17日 22時) (レス) id: 38bfafd10d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早瀬と恐竜 x他1人 | 作成日時：2020年11月11日 14時
