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昨日はなんだかちょっと感傷的になってしまったから気晴らしにでもと外に出てきた。せっかくの休日だし、街に繰り出してぷらぷら遊んでもいいかなぁとお昼すぎに思い立ちようやく今。最近服とか靴とか新しく何かを買う暇がなかったしどっか見て回ろうかな。頑張ってるしいいでしょ。ご褒美ご褒美。
そんなことを思いながら人通りの多い道を歩いていたら見覚えのある顔。袋をたくさん抱えて順番待ちをしていた清水さんを見つけた。嫌なことがあったから自分のために買い物したんだと笑う。でもその笑顔はこうちゃんと話してる時のような心の底から出たような感じではなくて。
｢ね、ウェイティングボードさ、書き直してきてもいい？｣
｢はい？｣
｢僕もご一緒していいかな！｣
今度なにか甘い物を買ってあげよって思ってたところだし、嫌なことあったみたいだし、いい機会だと思わない？｢もちろん！｣と、さっきとは少し違った笑顔で答えてくれたからやっぱりちょうど良かった！
清水さんのあまりの荷物の多さに、店員さんは少し広めの席に通してくれた。ひとつひとつ並べていくと尚更その量に驚く。小さなものから大きなものまで様々で、よほど色々なお店を回ってきたように見える。
｢期間限定であんみつやってて、それがどうしても食べたかったんです｣
｢あんみつ好きなんだ！じゃあ僕パフェにしよ〜｣
｢え？どういうことですか？｣
｢交換こしたくない？｣
｢……したい、です｣
｢ふふ、しよーね｣
休憩がてら並んでいたんだろう。僕はまだなにもしてないんだけど、まぁこんな休日も楽しいね。甘いものを食べにきたってだけで結構幸せな土曜日だ。
｢たくさんお食べ〜｣
｢お言葉に甘えちゃいます｣
｢いいのいいの！僕も暇してたし、むしろつきあってくれてありがとうだよ｣
あんみつ本当に好きなんだなぁと清水さんのことをぼんやり眺めていた。食べてるとこ見られるの恥ずかしいです、と眉をひそめてまた食べる。僕のパフェもあげちゃう。ここ美味しいとこだよ。
相談があるなら僕は全然乗るつもりだった。嫌なことって仕事のことだったりするのかなってちょっと思ったりもしたから。でも清水さんは”嫌なこと”がなにかを話さなかったし、少なくともあんみつを頬張る彼女は嬉しそうだったからまたなにかあったら聞けばいいかななんて思ってたんだ。
ゆっくり堪能してからお店を出る。別れ際、もう少し買い物して帰りますと手を振った清水さんは昨日と同じ切なそうな顔をしていた。
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黄色い恐竜(プロフ) - 絢瀬さん» コメントありがとうございます！読んでいただけたのも嬉しいです……！ぼちぼちまた2人で書きますのでよろしくお願いします！ (2020年12月21日 15時) (
レス) id: 110633540f (このIDを非表示/違反報告)
絢瀬 - 本日一気見しました！更新お待ちしています (2020年12月17日 22時) (レス) id: 38bfafd10d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早瀬と恐竜 x他1人 | 作成日時：2020年11月11日 14時
