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指を絡めたまま、俺たちは黙って歩いた。時折小さくくしゃみをしては肩を震わせて、足をパタパタと動かして空いた少しの距離を詰める檜山。家までの最後の角を曲がった。もう少しだけ歩けば俺の家。
「檜山」
俺たちの関係ってなんだろうな、というのはあまりに答えが分かりすぎている問いのように思う。世の中には曖昧な関係がいいとか、言葉にしなくても分かってるとか色んなことを言うやつがいるけれど、俺はそのどれも嫌いだ。ちゃんと順を追って、ちゃんと言葉にして、上司と部下から関係を変えよう。本当はこんな早いつもりじゃなかったけど、古臭いとか真面目すぎとか思うかもしれないけど、俺、ここだけは譲れねえの。
「なに、いざーさん」
家の前、足を止めると檜山も隣に並ぶ。まだ目赤いじゃん、お前そんなに泣いたの。俺が悪いんだっけ、ごめんって。
「俺、檜山のこと好きだよ」
にって笑って俺を呼ぶ間延びした声とか、俺が約束忘れたことであんなに拗ねるところとか、俺とのデートのためにこんなに可愛い格好してくれるところとか。
今ならわかるよ、俺がこんなに檜山のこと好きなの、お前のせいでしょ。こんなに惚れさせたのは檜山でしょ。だからさ。
「俺と付き合って」
俺を見つめていた檜山はやがて嬉しそうに笑って少し背伸びをする。近づいた顔は、俺を呼ぶ時のあの顔。
「いまさら何言ってんの」
「いいでしょ、ちゃんと言いたいの」
で、返事はどうなの。俺の彼女になってくれるんでしょ。
「いいよ、なってあげる、いざーさんの彼女」
お前ほんと生意気だよな。そういうところも好きだよ。
ね、もう俺の彼女だからいいんでしょ。ほら早く行こ、俺もいい加減寒いや。
「私も好きだよ、いざーさん」
「知ってるよ、A」
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黄色い恐竜(プロフ) - 絢瀬さん» コメントありがとうございます！読んでいただけたのも嬉しいです……！ぼちぼちまた2人で書きますのでよろしくお願いします！ (2020年12月21日 15時) (
レス) id: 110633540f (このIDを非表示/違反報告)
絢瀬 - 本日一気見しました！更新お待ちしています (2020年12月17日 22時) (レス) id: 38bfafd10d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早瀬と恐竜 x他1人 | 作成日時：2020年11月11日 14時
