Wednesday ページ15
月曜日にとうとう伊沢さんから飲みに行くお誘いを受け、私はこれはいよいよ、いよいよだぞと上機嫌でいた。いつもよりも格別に構ってくる(気がしている)伊沢さんも、きっと私と仕事ではなく社内の飲み会でもなくふたりで出かけることを楽しみにしているのだと思っていた。
｢あ、伊沢｣
｢ふくらさん、なに？｣
｢金曜の夜会議入れてもいい？別の日でもいいんだけどさ、直近で集まれるのその日だから｣
｢あー…｣
残念ふくらさん、ごめんね。その日は私といざーさんデートなの。
別の日でもいいならそっちでお願いします。
｢いいよ、なんもないし｣
｢あ、ほんと？じゃあ伝えとく｣
……は？
ちょっと待って伊沢さん。その日あなたが私のことを誘ったんじゃなかった？そりゃあなたがとっても多忙なことは知ってますけど、お仕事の予定がたーくさん書かれているそのスケジュールアプリになんで私との予定は書かれてないの。
｢山本｣
｢うん？｣
｢人のこと誘っておいて予定忘れるやつってどう思う｣
｢え？なに？なんか怒ってる？｣
別に、伊沢さんがすごくすごく忙しくしていることなんて知ってる。言ってくれれば別の日にだってするよ。
でも違うじゃん。忘れてるじゃん。私はこんなに楽しみで仕方なくて、なんならその日に1番可愛い私でいたいから気合い入れてお肌の手入れとかネイルの予約とかしてたのに。なんで伊沢さん忘れてるの。伊沢さんにとってはどうでもよかった？私とふたりで遊ぶことなんて。
｢檜山ー｣
いつもなら呼ばれるのが嬉しくて声がしたらすぐ顔を伊沢さんの方に向けるけど、自分でも思ったよりショックが大きくて聞こえないふりをしてしまう。
ひゃーま？とわざわざデスクまでやってきた伊沢さんの目が見れない。だって私すごく楽しみだったんだもん。伊沢さんがやっと私を誘ってくれて、やっとふたりで出掛けることができて、やっと長い間続けてきたこの片想いも終わるんだろうなって思ってた。
｢なんですか｣
｢え、っと。なんでもない｣
｢用がないなら呼ばないでもらってもいいですか。仕事あるので｣
｢……ごめん｣
自分でも言い過ぎだって分かってる。分かってるけど無理だよ。
なんでもないなんて顔するには、私の”嬉しい”は大きすぎたもん。
なんで忘れちゃったの、バカ。私のことどーでもいいの？
…私ばっかり好きみたいじゃん。伊沢さんなんて大っ嫌い。
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黄色い恐竜(プロフ) - 絢瀬さん» コメントありがとうございます！読んでいただけたのも嬉しいです……！ぼちぼちまた2人で書きますのでよろしくお願いします！ (2020年12月21日 15時) (
レス) id: 110633540f (このIDを非表示/違反報告)
絢瀬 - 本日一気見しました！更新お待ちしています (2020年12月17日 22時) (レス) id: 38bfafd10d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早瀬と恐竜 x他1人 | 作成日時：2020年11月11日 14時
