【wrwrd!】私とあなたのメルヒェン【短編集】 (ページ4)

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「何してんのあんた...」

母親に変な顔で見られる。

だがそれはしかたのないことだろう。なんせ私は家にある仏壇に土下座をしていたのだから。

『いいことあったから感謝の気持ちを述べてた』

「だからって土下座はしないでしょ。普通」

『土下座するくらいに嬉しかったの！！』

その時私のスマホから音がした。顔をあげ、自分の部屋に速攻で行く。

直ぐ様スマホのロックを外し、ホーム画面を開いた。そこには想像とはうって変わって私の幼なじみからの連絡しか来てなかった。

ろくに返事を見ずに、『くそが』と送った。こいつにはこのぐらいがちょうどいいだろう。

『まだ来ないのかな...』

彼と連絡先を交換してからというもの、私は授業中だろうがなんだろうがスマホとにらめっこを続けている。

これは私から言った方がいいのか？

Aこんばんは。よろしくお願いします!

私の不安とは裏腹に、返事は結構直ぐに帰って来た。

トントントントンと言います。よろしくお願いします
トントンすいません。なんて送ったらいいか悩んどって...
Aいえいえ、大丈夫ですよ!
トントン改めてよろしくお願いします

そこからは早かった。最初はぎこちなかったものの、今あれを読んでるだの、今日学校で起こったことなどを慣れたようにグダグダと会話する。

お互いに高校2年生だと言うことが分かったため、敬語を外そうと言うことになり、本の貸し借りまでも約束してしまった。

しばらく会話を続けた後、おやすみなさいと言って、会話を切り上げる。少し名残惜しいが、明日寝坊して会えなくなるよりはマシだ。

スマホを充電器にさして、ベットに寝っころがった。

『トントンって言うんだ～...ふふっ』

このニヤニヤが今日中に静まることはないだろう。

この日から私は彼をただ見つめるだけではなくなってしまったので、もっともっと恋心を募らせることとなる。

そして最初に話してから一ヶ月が経った。