【wrwrd!】私とあなたのメルヒェン【短編集】 (ページ2)

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『グ、グルッペン様！何処に向かっているのですか？』

グルッペン様は少し考えた後、ゆっくりと話し出した。

gr「...Aにはもう少しばかり辛い思いをさせてしまうかもしれないが、許してほしい」

『...覚悟はできてます』

gr「ああ。まずAには隣の惑星に逃げてもらう」

『隣の惑星...地球』

地球は素晴らしいところだ。そう昔会ったことのある冒険家が言っていたのを思い出す。水が沢山あってとても楽しい所だと。

私には何故彼が謝るのかがわからなかった。

『私なら大丈夫です。それに貴方の方が辛いはず...謝るなら私の方です』

gr「...この月から違法に逃げていった時、情報漏洩を防ぐための記憶忘却装置があるんだ。Aが外にでれば確実に記憶が無くなる...だから」

『お母様やグルッペン様のことも忘れてしまう...？』

gr「ああ...」

異国の地で大好きな人を思い出せないだなんて...
私はやっていけるのか心配になった。

そのうちに色々なものが置かれている格納庫のような場所についた。

「これは長距離移動用の乗り物だ」

そういってグルッペン様は壁に取り付けられていたレバーを引いた。するとその乗り物の方向の壁が開き、星々が輝いている空が見えてきた。

言われるがまま乗り物に乗り、後は扉を閉めて発車のスイッチを押すだけとなった。

『グルッペン様...』

gr「必ず迎えに行く。そうしたら俺と結婚してくれないか...？」

そう言って渡されたものはシンプルな簪だった。最低限の装飾が施されており、私の好みだ。

gr「これを肌見放さず持っていてほしい。これをたどってAを見つける」

『はい...！！』

嬉しくて今にも叫び出したいくらいだった。

「こっちか！」

「いたぞ！捕らえろ！！」

gr「もうか...！」

遂に追っ手が私たちに追い付いてしまった。それと同時にやってくる罪悪感。私のせいでグルッペン様を巻き込んでいるというのに。

『グルッペン様...やっぱり私...』

gr「逃げないだなんて言うなよ？」

何故考えていることがわかったのだろうか。やっぱり彼は凄い。私にはごめんなさいと小さい声で言うことしかできないのに。

gr「A、愛している」

『私もです、グルッペン様...！！』

軽い口づけを交わして私は飛び立った。

その後、私はかぐや姫として地球で暮らすことになるのだが、それはまた別の話。