第51話 素直になれ、俺 ページ10
「ギル、ちょっといいかい。」
ある夜、眠ろうと住処へ向かっていたらジェニーおばさんに声をかけられた。
「どうしたの。」
「…雌猫達みんな言ってるからあたしが代表で言うけどね、
Aのことを目で追いすぎだよ。」
は!?
「何言ってんだよ。んな訳ねぇだろ。」
「皆気づいてるよ。あの子が来たらずっと見てるよ。」
確かに見てはいるけど…そんなにか?
「ジェミマとAは同い年だけどお前さん態度が全然違うよ。ジェミマには自然だけどあの子にはなんか素直じゃないねー。」
「だってジェミマは昔からよく遊んでたから慣れてる。Aとは最近知り合ったばかりじゃん。」
「それもあるね。でも1番はお前さんがあの子を意識してるからじゃないかい?」
…意識?
「ギル、自分に素直になりな。あの子、お前さんに嫌われてるって勘違いしてるよ。この前相談に来たんだから。」
じゃあね。おばさんはそう言うと仕事に行ってしまった。
自分に素直になる…。
俺は…あいつが嫌いってわけじゃない。
…だからといって好きでもない。
これでいいんだろうか。
俺はあの事件以来、寝不足が続いていた。
ちょうど日陰を見つけたので、そこで寝ようとしたが…
先にAが眠っていた。
鞄を持っているので、ミストと宿題でもするつもりなのだろう。
待ち合わせ中に寝ちまったのか?
…それにしても気持ち良さそうに寝てるな、てかよだれ垂らしてるし。
俺がそっと口のよだれを拭うと、Aの頭がカクンと動いた為、俺の指が唇に触れた。
「っ!///」
声を出しそうになるのを堪え、指を離した。
起こしてないかと再びAを見たが、眠ったままだった。
Aは本当に整った顔立ちをしている。
それに誰にでも親切だ。だから皆に好かれるんだ。
「まつ毛長い…綺麗だな…。」
うっかり声に出してしまい、焦りだす。
なんでさっきから俺、こいつに見とれてるんだよ。
変態か、俺は。
「自分に素直になりな。」
おばさんに言われたことを思い出す。
自分に…素直に…。
俺はこいつを意識しているのか?
こいつのこと、どう見てるのか?
こいつのことが好きなのか?
Aがうっすら笑った時、俺はやっと素直になった。
俺はこいつを一人の女として、異性として好きになったんだ。
今俺にひとつ、新たな目標が出来た。
Aともっと話し、仲良くなることだ。
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なおぴょん(プロフ) - **ぐるぷん**さん» 私も毎日聴いてますよ~♪ 札幌公演見に行きますか? (2014年10月10日 22時) (レス) id: 4de1711d69 (このIDを非表示/違反報告)
**ぐるぷん**(プロフ) - なおぴょんさん» 私も毎日聴いてます!私は福島です!( ̄^ ̄)ゞ (2014年10月10日 22時) (レス) id: d02575319c (このIDを非表示/違反報告)
ねねこ(プロフ) - **ぐるぷん**さん» 四季のアラジンオーディション、団員以外にもキャスト募集するので一和さんが出る可能性なある気がします。退団後も四季作品に契約で出ている方いますし…札幌開幕は来年の1月なので最低でも一年はやると思いますよ! (2014年10月6日 23時) (レス) id: 14bda2dd5b (このIDを非表示/違反報告)
なおぴょん(プロフ) - **ぐるぷん**さん» 私もCATSのCD持ってます!いいですよね〜(*^^*)ぐるぷんさんは、札幌に住んでいるんですか? (2014年10月6日 22時) (レス) id: 4de1711d69 (このIDを非表示/違反報告)
**ぐるぷん**(プロフ) - なおぴょんさん» キャッツ千秋楽迎えましたね!キャッツのCD聴くたびにキャッツ観たいな〜ってなります(T ^ T)受験終わるまで札幌でやってるかが不安で不安で(°_°) (2014年10月6日 22時) (レス) id: d02575319c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねねこ | 作成日時:2014年7月8日 20時