劇団四季CATS ジェリクルキャッツと少女の物語2

第87話 獣医希望 ページ49

「本当に大丈夫か？2冊で5キロはあるぞ。俺が持とうか？」
「平気よ！筋トレになるし！」


トートバックに本を入れて私はゴミ捨場を出た。


私がマンカスから借りた2冊と言うのは、猫語の辞典とジェリクルの歴史の本。


私は猫語が読めないけど、少しは勉強しようかなーと思って！



途中、駅が見えたので久々にスキンブルに会いに行くことにした



……その時。




「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ！」



女の人の悲鳴が聞こえて慌てて駅の方へ向かう。


ホームには沢山の人が集まっていた。



「駅長さん！一体何が……！」


沢山の人が集まっている所にはぐったり血を流して倒れている1匹の雄猫がいた。



「スキンブル！」


私は急いで手当てをした。


白いほう帯が一瞬のうちに真っ赤になる。



かなり……やばい！




「駅長さん！周りの皆さんのことをお願いします！」
「ああ！でも…」
「スキンブルのことは任せて下さい。こう見えて私、獣医希望なの。」



私はスキンブルを抱えると猛ダッシュで家へ向かった。





スキンブルはだいぶダメージをくらったみたいで、しばらく目を覚まさなかった。



そして私が夕食を作っている時…



「ん…痛…ここは？」
「スキンブル！大丈夫？ここは私の家よ。」
「A！はっ！あいつは！？奴は何処へ！」
「落ち着いて。とりあえず一緒にご飯食べよ(*^^*)」




「Aが手当てをしてくれなかったら僕は今頃死んでいたかもしれない…本当にありがとう。」
「いいの。私、ほっとした。スキンブルがこのまま目覚めなかったらと思うと…」


スキンブルは私の料理を残さず食べてくれた。



「ありがとう、そろそろ帰らないと…」
「大丈夫、今日はここでゆっくりして。私も寂しいし…」
「えっ…でもでも…///…いいの？」
「もちろん！」





スキンブルは夕食後、仕事で疲れていたのかぐっすり眠ってしまった。



私はお風呂に入り、宿題を終わらせ、猫語の勉強に取り掛かった。



それにしてもスキンブル…どうしてこんなことになったのかな？


不良にやられた？電車にはねられた？


まさか。



それにしても全くわからん…しかもアルファベット基準だから英語苦手な人はアウトだなぁ。



これが読めたら少しでも猫になれるのかな？



しかし私は疲れと睡魔に負け、徐々に瞼が重くなってきて…









スキンブルにこの秘密がばれてしまうなんて考えてもいなかった。

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