劇団四季CATS ジェリクルキャッツと少女の物語2

第47話 手紙 ページ5

俺はランパスを呼ぶと誰もいないところで手紙を開いた。




突然すまない。大事な話があるのでここで連絡する。

先日、京都に奴が現れた。幸い死者は出なかったが9もの人間が重軽傷を負った。
俺はその時現場にいて戦闘に入ったものの、胸に全治2週間の傷を負っただけなので安心してくれ。

お前が惚れたという例の娘に会った。正直、あいつに彼女の存在がばれたらかなり危ういと思う。何しろジェリクルと話せる能力を持つ人間だから奴は目をつけるに決まっている。

ちなみにジェリクル舞踏会の日程はまだわかっていない。おそらく夏は無いと思われる。

とりあえずあの娘の秘密が奴にばれないよう用心してくれ。また何かあったら連絡を頼む。


マンカストラップ、ランパスキャット、東京のジェリクル達はお前らに任せる。
京都の方は俺とカッサで何とかするから安心してくれ。

タンブルブルータス


追伸 あの子可愛いわね！マンカスが惚れるの分かるわ！

カッサ



「共感してくれる仲間がいるじゃねぇか。よかったな。」
「…///それより奴だ。確かに、Aは人間かつジェリクルの言葉が分かる。奴にばれたらかなりまずい。」
「Aをゴミ捨て場に来させないとか？」
「そしたら彼女が不自然に思うだろう。それに…」
「ああ、悪い。それにバブも拗ねそうだな。」
「例え奴が彼女を狙ったとしてもAは空手をやっているから強い。それに…」

俺は拳を握って続ける。



「俺はまだ恩を返していない。Aは俺が守る。」



そう宣言するとランパスはポカンと俺の顔を見ていた。

「…どうした？」
「いやーお前が恋するとこんなに男になるのかーって感心してさ。」
「！！何で急にそんな事言い出す！///」
「落ち着け。お前、前に比べたらリーダーらしくなってきたぜ。板についてきたんだな。」

ランパスは口角をあげて言った。


「やはりお前がリーダーで正解だ。」


少し恥ずかしかったが、嬉しかった。


「ありがとう」



その時、


「マンカス！ランパス！」

叫び声が聞こえて振り返ると一匹の猫が何かを担いで来た。

「あいつが、奴が来たのよ！」
「本当かボンバル！」
「ええ、それで早く彼女を！」


ジェリクル、ボンバルリーナが背を向けると同じくジェリクルのディミータがぐったりしていた。






ついに奴がここに…！？

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