劇団四季CATS ジェリクルキャッツと少女の物語2

第79話 女の子の苦悩 ページ40

※これは70話以降より前のお話です。



う〜〜お腹痛い……




なんでイキナリ「アレ」が来るのよ……




しかもよりによってこんな時に！




「A〜！試合やろうぜ！」

何も知らないコリコが走ってこちらに来た。


ああ、いいなあ男子って…。



「あ、うん…」
「大丈夫か、顔色が悪いぞ。」

ギルさんがいつものしかめっ面でやって来た。


「え？そうかな…？うぅっ…」

鋭い痛みが私のお腹を襲う。


「腹痛いのか！？」
「あ、うん、ごめんなさい…」
「Aがお腹痛くなるなんて珍しいな〜」


不器用にギルさんが背中をさすってくれた。


「何だろね〜冷たいもの食べ過ぎちゃったかな〜？」
「あはは〜A食いしん坊だもんね！」


私とコリコは笑い合うが、ギルさんはしかめっ面のままだ。



「今日は辞めておけ。」
「えっ？」
「今日はもう帰れ。」


ギルさんがしかめっ面で言うもんだから、素直に従うべきだと思った。


「わかった。コリコ、また来週やろうね。」
「あ、うん…」


私は生理痛がきつい方で、立っていると更に痛みが増してしまう。

痛さのあまり、再び倒れてしまった。


「A！？大丈夫！？」
「あまり騒ぐなコリコ。」
「でもAが…！」
「体調不良じゃないから安心しろ。」



えっ……？



もしかしてギルさん…




すると体が急に軽くなった気がして、ふと見るとギルさんが私をお姫様抱っこしていた。


「大丈夫！私歩ける…」
「わー！あのギルがお姫様抱っこした〜！」
「うるさい！コリコはここにいろ。後で話がある。」





2人とも黙ったままトンネルに向かう。





途中、誰にも会わなくて本当に良かった。





「ごめん、重いよね…」
「気にしてない。」



しばらくすると、再び痛みが襲って来た。



「うっ、痛い…」
「無理すんなよ。」
「あんまり冷たいもの食べ過ぎないようにする。」
「その痛みはどうしようもねぇだろ。…毎月起こるんだろ？」




やっぱり生理って分かってたんだ…。




「ごめんね。男の子なのにこんな迷惑かけちゃって…」
「気にすんな。人間の女って大変だな…」
「まあね。この時だけ女の子辞めたくなるよ。…ちょっと手、貸して？」


ギルさんが出した手をそっとお腹に当てる。


こうするといつも痛みがおさまる……カーバの時もそうだったな。




「よくなって来た。ありがとう^ ^」
「あ、ああ…///」
「また明日ね！」






ギルさんの優しさを知った夕方でした。

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