第78話 乙女と師匠とお父さん ページ39
「でも…いつか素敵な恋をしてみたいとは思うよ。でも私全然可愛くないし、女子力低いし…」
彼女は毎日好きな空手や、夢の為に勉強で精一杯だと思っていた。
だけど心の奥では恋をしたい、という女の子らしい願望を持っていて…改めて愛おしく感じる。
「そんなことないよ。俺は可愛いと思うよ。」
気づけば自分の口からこんな言葉が出ていた。
しばらくの沈黙が流れる。
「え、あ、ごめん!その、今のは無かったことに…」
「出来ないよ、無かったことになんて。」
「えっ?」
「嬉しいよ。そんなこと言ってくれる人、中々いないから…やっぱ、少しでも可愛くいたいから身だしなみとか、気を付けてるし…///」
少し顔を赤らめて俯くA。
こんな表情は初めて見た。
ジェリクルの皆はいつも凛々しいとか、かっこいいとか、勇ましいとか、男に言いそうな褒め言葉をAにかけていた。
でもやはりひとりの高校生であり、女の子でもあるワケで。
今は単に乙女にしか見えなかった。
「あっ、や〜だ〜!私ったら恥ずかし〜!」
「何なんだその口調は…」
「えへへ、ふざけました〜(笑)」
「まったく…」
俺が苦笑すると、Aがあっ、小さく声を挙げた。
「そういや師匠。いつから変身の練習は始めるのですか?」
師匠?いつ俺は彼女の師匠になったんだ?
「私明日からやりたいな!でも午前部活あるから夕方でもいい?」
夕方…見回りがあるのだが…ランパスに頼むか…
「あっ、仕事が忙しいならいいよ。タガーもいるし、マンカスまた別の日に…」
「いや、いいよ。夕方やろう。」
あいつの名前が出て少しムッとしたので即時に答えた。
「ありがとうお父さん!」
「ああ、っていつ俺がお前の父さんになった!」
「えー、一週間前。なんちゃって〜」
「まったく…」
しばらく歩くと皆の姿が見えた。
「A八つ橋美味しかったよ!」
「やっぱ京都といえばコレね!」
「…美味かった。」
「あのギルさんが八つ橋を食べた!?」
「うるせー!」
俺は遠くから笑顔の彼女を見ていた。
Aが奴のモノになってしまったら…。
あの笑顔を奴にしか向けなくなったら…。
いや、そんな事考えてはいけない。
俺はもう、何もかも…失ってたまるか!
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なおぴょん(プロフ) - **ぐるぷん**さん» 私も毎日聴いてますよ~♪ 札幌公演見に行きますか? (2014年10月10日 22時) (レス) id: 4de1711d69 (このIDを非表示/違反報告)
**ぐるぷん**(プロフ) - なおぴょんさん» 私も毎日聴いてます!私は福島です!( ̄^ ̄)ゞ (2014年10月10日 22時) (レス) id: d02575319c (このIDを非表示/違反報告)
ねねこ(プロフ) - **ぐるぷん**さん» 四季のアラジンオーディション、団員以外にもキャスト募集するので一和さんが出る可能性なある気がします。退団後も四季作品に契約で出ている方いますし…札幌開幕は来年の1月なので最低でも一年はやると思いますよ! (2014年10月6日 23時) (レス) id: 14bda2dd5b (このIDを非表示/違反報告)
なおぴょん(プロフ) - **ぐるぷん**さん» 私もCATSのCD持ってます!いいですよね〜(*^^*)ぐるぷんさんは、札幌に住んでいるんですか? (2014年10月6日 22時) (レス) id: 4de1711d69 (このIDを非表示/違反報告)
**ぐるぷん**(プロフ) - なおぴょんさん» キャッツ千秋楽迎えましたね!キャッツのCD聴くたびにキャッツ観たいな〜ってなります(T ^ T)受験終わるまで札幌でやってるかが不安で不安で(°_°) (2014年10月6日 22時) (レス) id: d02575319c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねねこ | 作成日時:2014年7月8日 20時