第76話 家族 ページ37
私に猫になれる力があるだなんて…。
でも私には才能があるわけじゃない。
勉強や空手もそうだけど、自分の努力と沢山の人の支えがあってここまでこれたんだ。
「マンカス、タガー、一旦人間になってくれんかの?」
「はい、長老様。」
2匹が耳を引っ張ると、あっという間に人間になった。
「混じりげの無いジェリクルの血ならば何もしなくても簡単に人間になれる。しかし君は半分人間の血じゃ。かなり時間がかかるのぅ…」
「技術を習得出来るのに早くてどの位かかるのですか?」
マンカスが尋ねる。
「そうじゃのう…毎日頑張って鍛練を積んでも半年かかる。」
「でもAは努力家です。半年以内には身に付くと思います。」
マンカスが少し微笑んだ。
「でも長老様、何故私にこの技を覚えさせるんですか?」
長老様はニコッと笑ってこう言った。
「それは君がジェリクルだからじゃ。」
えっ?私がジェリクル……?
「でも私は普通の高校生ですよ…?」
「おや、なら何故今わしらと話しているのかな?」
「あっ……」
「ジェリクルは例え血が繋がっていなくても皆家族なんじゃ。君もジェリクルの一員。わしらの家族じゃ。」
「私が…?」
「そうだぞA!お前は俺の妹だ!」
そう言ってタガーは私の頭をわしゃわしゃ撫でた。
「さて、マンカスだけに頼もうと思っていたがタガーが盗み聞きしていたなら仕方無い…」
長老様は一瞬真剣な表情になってから、またニコッと笑い、
「マンカス、タガー、この子に猫の変身法を教えてあげなさい。」
「えっ!?」
2人揃って声を挙げた。
「今この秘密を知っているのはお前さん達だけたからのぅ。」
「え、でも私は…」
「やります!俺やります!」
困惑気味のマンカスとは対照的にタガーはやる気満々だ。
「おお!頼もしいのう、タガー。」
「あの、マンカス嫌だったらいいよ…ほら!リーダーの仕事あるし…」
「いや、俺も手伝うよ。こいつだけじゃ頼り無いしな。」
「なんだと!?俺だってやる時はやるんだぞ!」
また2人の喧嘩が始まってしまった。
それをスルーして長老様が私に話を続ける。
「君はわしの孫じゃ。本当はわしが教えたいが歳をとり過ぎて変身出来んのじゃ。」
長老様は私の手をぎゅっと握って微笑んだ。
「あの2人はわしの自慢の孫じゃ。なんなり頼りなさい。」
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なおぴょん(プロフ) - **ぐるぷん**さん» 私も毎日聴いてますよ~♪ 札幌公演見に行きますか? (2014年10月10日 22時) (レス) id: 4de1711d69 (このIDを非表示/違反報告)
**ぐるぷん**(プロフ) - なおぴょんさん» 私も毎日聴いてます!私は福島です!( ̄^ ̄)ゞ (2014年10月10日 22時) (レス) id: d02575319c (このIDを非表示/違反報告)
ねねこ(プロフ) - **ぐるぷん**さん» 四季のアラジンオーディション、団員以外にもキャスト募集するので一和さんが出る可能性なある気がします。退団後も四季作品に契約で出ている方いますし…札幌開幕は来年の1月なので最低でも一年はやると思いますよ! (2014年10月6日 23時) (レス) id: 14bda2dd5b (このIDを非表示/違反報告)
なおぴょん(プロフ) - **ぐるぷん**さん» 私もCATSのCD持ってます!いいですよね〜(*^^*)ぐるぷんさんは、札幌に住んでいるんですか? (2014年10月6日 22時) (レス) id: 4de1711d69 (このIDを非表示/違反報告)
**ぐるぷん**(プロフ) - なおぴょんさん» キャッツ千秋楽迎えましたね!キャッツのCD聴くたびにキャッツ観たいな〜ってなります(T ^ T)受験終わるまで札幌でやってるかが不安で不安で(°_°) (2014年10月6日 22時) (レス) id: d02575319c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねねこ | 作成日時:2014年7月8日 20時