劇団四季CATS ジェリクルキャッツと少女の物語2

第74話 2匹1人で ページ35

「おじいちゃん！Aお姉ちゃんがね、京都に行ってお土産買ってきてくれたの！一緒に行こう！」
「わかったよバブ。」


こうして1人3匹でみんなのところに向かう。


「おーい！早く八つ橋食べようぜー！」
「はいはい。」


私が箱を開けるとみんなが「わあ！」と声を挙げた。


「みんな、ちゃんといただきます言うのよ。」
「はーい！いただきま〜す！」


みんなが八つ橋をひとつひとつ取って食べだした。



「美味しい！」
「これうまっ！」
「次あれがいいな〜」



「八つ橋か〜懐かしいのお。わしが若い頃はよく京都を訪れて食べていたよ。」
「そうなんですか？」
「うんうん。Aは八つ橋好きかい？」
「はい！」
「そうかそうか。わしもじゃよ。」



長老様は「はっはっは」と笑った。


あ、そういえば…。



「マンカスこれ、タンブルから手紙預かってたよ。」
「ああ、すまない。」


私はマンカスの隣に座る。


「よかった無事で。京都で事故が起きたという知らせを聞いたからな。2匹は大丈夫か？」
「2匹とも元気だったよ。私も大丈夫よ。」
「そうか、よかっ…」
「A〜！大丈夫かぁ！？」
「わっ！」


後ろからタガーが抱きついてきた。


「よかった無傷か！こんな可愛い娘が1人で京都に行くだなんて…」
「タガー、私もう子供じゃないの。それに離して。」
「これからは俺も一緒に…」

無視かよ…(汗)

するとマンカスがタガーを私から離した。



「いてっ！何すんだよ！」
「Aが嫌がってるだろう。」
「ちぇっ」

タガーはツンと口を尖らせた。




「マンカス、A、ちょっといいかい？」

声がして振り返る。


「あっ、デュロトロミー様。」
「おいバカ、デュトロノミー様だよ！」

そう言ってタガーに叩かれた。

「すみません…」
「ははは、いいんじゃよ。」

長老様がにこっと笑う。



「何でしょうか、長老様。」
「ちょっと話がしたいのだが…」
「はい！大丈夫です！」
「タガー、すまないがお前さんはここで待っていてくれ。3匹…おっと2匹1人で話をしたいんじゃ。」



私とマンカスと長老様で…？



「俺も！俺も行かせ…いでっ！」
「お前はいつまでガキなんだ。」
「なんだと！？」
「これこれ、喧嘩はやめなさい。」


長老様に注意され、2匹そろって凹んだ。


「まったく、昔から変わってないのぉ。さて、ふたりとも来なさい。」



こうして私とマンカスは、長老様の後をついて行った。

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