劇団四季CATS ジェリクルキャッツと少女の物語2

第73話 長老様登場 ページ34

ひどい…どうしてそんなことが出来るのだろう。



何が目的なのだろう…。




「とりあえず、奴に会ったら自分から攻撃してはダメよ。」
「どうして？」
「宣戦布告とみなされ、容赦無くかかってくるから。もし会ったとしても、落ち着いて逃げれば奴は襲ってこないわ。」
「そっか…あれ、タンブルは？」



するとタンブルは何かを持って戻って来た。



「明日俺たちは用があって見送りには行けないから先に渡しておく。マンカストラップ宛てだ。」



そう言って渡されたのは白い封筒。



「手紙ね！任せて！」
「9月の後半には私たち、東京に行くからまた会いましょうね。」
「東京の皆にも宜しく頼む。」
「はい！そちらこそお元気で！」







翌日、私は東京に戻って来た。



「あれ、スキンブルは？」
「スキンブルは今日は休みだよ。あいつは賢いからね、明日は休んでいいよって言ったら本当に来ないんだ。でもその次の日にはちゃんと来るんだよ。」
「そうなんだ〜凄いですね！」





駅長さんと軽く話をしてゴミ捨て場に向かう。



「こんにちは！お土産持ってきたよ！」
「Aおかえりなさい！」



数匹のジェリクルが駆け寄って来た。



「なあなあ、八つ橋ある！？」
「あるよ、みんなで食べようね。あ、そういやマンカスいる？」
「ええ、でも今長老様とお話しているわ。」



長老様？



聞いたことないな…




「お姉ちゃん！お兄ちゃんとおじいちゃんのところ行こう！」
「バブ！何処にいるか分かる？」
「うん、こっちだよ！」


バブと一緒にしばらく歩いていると、


「いたー！お兄ちゃ〜ん！おじいちゃ〜ん！」
「お、バブか。どうした？…A…！おかえり。」
「ふふ、ただいま！」
「ほう、君がAだな。お会いできて嬉しいよ。」



聞いたことのない声がしたと思うと、マンカスの前に髭で体中が覆われているおじいさん猫がいた。



なんと言うか…凄い猫オーラがするんですけど！(謎)




「紹介するよ。この方はジェリクルの長老、オールドドュトロノミー様だ。」


お、オールドドュトロ……何？


「ほっほっほ。長くて覚えられんだろう。」
「すみません長老様…」
「この子が怪我したお前さんを助けた女の子であっているかい？」
「はい。私の命の恩人です。」




マンカスの口調がいつもと違う。




やはり凄い猫なんだ……！





「わしの家族を救ってくれてありがとう。」




長老様はそう言ってにこっと笑った。

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