劇団四季CATS ジェリクルキャッツと少女の物語2

第70話 再び京都へ ページ31

8月に入り、暑さもピークに達している。


そんな中、親戚から電話が入り、御盆休みに京都へ行くことになった。



「盆休みに京都へ？ちょうど良かった。手紙をカッサとタンブルに渡して欲しいのだが…。」

マンカスが私に白い封筒を渡した。


「これを渡せばいいの？会えるかな。」
「ああ。前に会えたならきっと次も会える。俺の時もそうだっただろう？」
「うん、そうだね。手紙は任せて！」


私はニコッと笑うとマンカスは微笑んで手を私の頭の上に持っていった



……が。



「あっ！」
「どうしたの？」
「…いや、気にするな。」



そう言って手を引っ込めた。




前は父親がするように頭を撫でてきたり、肩をポンと叩いてきたり、スキンシップというかなんというか…そういうことをすることが時々あった。



でも最近はあまりしなくなった。して欲しいとは思わないけど、少し疑問ではある。



「それじゃあ行ってきます！」
「A、知らない男には十分に気を付けろ。何をされるか分からない。君は空手をやっているから大丈夫だと思うが…」
「…急にどうしたの？私は大丈夫よ。不審者や痴漢にあってもこの蹴りで一撃だから！」



私がポンとマンカスの肩を叩くと、「ああ。」と言ってそっと私の手に触れた。





一方、京都では…



「くそ、今度は福岡か。しかも負傷者が4人…」
「ジェリクルは大丈夫？」
「ああ、全員人間だ。東京ではこの前ディミータが怪我を負ったが、あの娘のおかげで命に別状は無かったらしい。」
「娘って…Aのこと？そういや御盆が近づいているけどあの子、こちらに来るのかしら？」
「きっと来るだろう。



どうか奴が京都に来てくれなきゃいいが…。」







「ついたー！京都！」



駅を出ると、すぐに京都タワーが見えた。



「A！A！こっちよ！」
「真理さん！希望ちゃんも！」
「京都に来てくれてありがとう！さ、実家に行きましょう！」







親戚の家に着くと、皆がテレビの前で固まっていた。



「どうしたの？甲子園？」
「違うわよ、さっき京都駅で負傷者が出たのよ。怖いわね〜。」
「えっ！」
「原因不明なのよ。2人のカップルが異常に気づいたおかげでみんな助かったけど…」




原因不明の事故…




2人のカップル…





その時、テレビに少し写った見覚えのあるカップルが。





「カッサとタンブル！？」
「え、誰？A知りあいなの？ってちょっとどこ行くの！？」

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