劇団四季CATS ジェリクルキャッツと少女の物語2

第69話 蝉 ページ30

「なぁバブ、蝉取りしようぜ！」
「ごめんなさい…これからジェリロお姉ちゃんとお買い物行くの…」
「そっか！じゃあミスト行こうぜ！」
「宿題あるから。」
「えー…ジェミマは？」
「あたし蝉嫌い！」
「ちぇ〜ギルは？」
「俺いくつだと思ってる？」



あーあ…蝉って夏しかいないのに…。



そうだ！




「コリコ、Aに頼むつもり？部活中だよ。」




ぎくっ




何も言ってないのに…。





「こうなったら残りはAだもんね〜」
「でもAはゴキブリ苦手だから蝉もダメかもね。」
「えーー！？」
「別に蝉取らなきゃ地球滅亡するわけじゃねぇからいいじゃん。」





するとがさがさと音がし、大好きなあの声。





「こんにちは〜今日も暑いね〜」
「A！」
「なぁA、今から蝉取りしようぜ！」
「えっ蝉？うーん…」
「ま、まさか嫌い？」
「いや、むしろ好きだよ。」
「ほんとか！？じゃあ行こうぜ！」



俺は近くのゴミ山から虫取り網を取り出した。




「…でもその網使えないね、折れてるし…」
「あ、そっか…」
「大丈夫よ。私の貸してあげるから。それにしても近くにいるのかな？蝉の声がよく聞こえるね〜」


Aがキョロキョロ探していると、ジェミマがきゃーーっと悲鳴を上げた。



「Aの背中に蝉がいる！」
「え？」
「待て、俺が捕まえる！」
「あ、ダメダメ。このままにして。」



Aは「しー」と指を人差し指に当てると、蝉は再び鳴き出した。




「ミンミンゼミね。1番好きなんだ。」
「他にもいるの？」
「あまり詳しくないけど、クマゼミやアブラゼミとか、いろいろいるよ。」
「蝉って1、2週間しか生きられないんだよな…」
「そう、だから私は捕まえて仲良くなるのもいいけどこうやって生かしてあげたいとも思うの。」
「そっか…あっ！」




すると蝉はぶんと羽を広げて飛んで行った。




「蝉ー！頑張って生きろよーー！」
「ふふふ…何それ。」
「う、うるせー////」





蝉は飛んで行った後、再びミンミンと優しい声がした。






オマケ

コリコ「何これ？俺関係無いじゃん。」
作者「まあまあ。蝉っていう夏の風物詩を入れたかったのよ。」
コリコ「ふーん、それで俺ってわけか。そういや今週俺の役が横井さんから新庄さんになったよ！」
ギル「新庄さんは開幕時に俺を演じていた人だな。あとバブが五所さんになってた。」
作者「えっ！お二人ともおかえりなさい！」

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