第68話 それぞれの思いと想い ページ29
ランパス、僕がAのこと好きなの分かってたんだ…。
「僕、この前の悪夢の話を聞いて、悪夢を忘れる魔法を探してたんだ。でもどうしても見つからなくて…。」
「それで夜な夜な本を読んでたのか。ランペがクマがひどいって言ってたぞ。」
「ごめん、魔法見つけたらちゃんと寝るから…」
「何日じっくり読んでも見つからないならその魔法が無い、あるいはその魔法を覚える必要が無いってことじゃないか?」
…必要が…ない?
「あいつは今まであんな悪夢を見ていない。たまたまだろ。」
「でも…」
「安心しろミスト、わざわざ魔法を覚えることはないから。」
ランパスは数秒置くと再び口開く。
「なぁミスト、お前は不思議に思ったことないか?」
「何が?」
「Aが何故、人間なのにジェリクルと話せることだ。」
「あ、うん。でもAは優しいからすんなり…」
「俺の考えだが、彼女は両親のどちらかがジェリクルキャッツの可能性がある。」
Aのお父さんかお母さんが…ジェリクル!?
「ジェリクルの血が混ざっていれば誰でも言葉を理解出来るからな。」
「じゃあ、Aの両親に会って…」
「それは不可だ。」
…えっ?
「タントから聞いたが、Aは幼い頃に両親を事故で亡くしている。」
「そんな!」
「それに彼女は一人っ子。ミヅキの娘は弟がいたはずだった。」
「それって、ミヅキさんに赤ちゃんがいたってこと?」
「ああ、妊娠したばかりだった。なのに奴が…新しい命まで…」
ランパスの握った拳の震えが大きくなっていく。
「マンカスにとってAがいろいろミヅキと重なって見えるらしい。だから愛おしく思うし、いつか奴に殺されるかもしれないと思っている。」
「だからその想いが悪夢に…」
「ああ。でもあいつが考え方を変えれば苦しむことは無い。だから魔法を覚える必要も無い。」
「でも僕は…」
「お前は魔術師だからな。覚えたきゃ覚えればいい。だがマンカスに使ってはいけない。そうでなきゃ、あいつの為にはならん。」
ランパスは立ち上がってドアの方に向かう。
「ねぇランパス。僕、Aを幸せにしたいんだ。それなら、沢山魔法を使ってもいいかな?」
ランパスが振り返る。
「いいんじゃねぇか、お前がそうしたいなら。俺も自分が出来ることで精一杯仲間を守るからな。」
そう言うとランパスは住処に帰っていった。
僕はそのまま深い眠りに落ちた。
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なおぴょん(プロフ) - **ぐるぷん**さん» 私も毎日聴いてますよ~♪ 札幌公演見に行きますか? (2014年10月10日 22時) (レス) id: 4de1711d69 (このIDを非表示/違反報告)
**ぐるぷん**(プロフ) - なおぴょんさん» 私も毎日聴いてます!私は福島です!( ̄^ ̄)ゞ (2014年10月10日 22時) (レス) id: d02575319c (このIDを非表示/違反報告)
ねねこ(プロフ) - **ぐるぷん**さん» 四季のアラジンオーディション、団員以外にもキャスト募集するので一和さんが出る可能性なある気がします。退団後も四季作品に契約で出ている方いますし…札幌開幕は来年の1月なので最低でも一年はやると思いますよ! (2014年10月6日 23時) (レス) id: 14bda2dd5b (このIDを非表示/違反報告)
なおぴょん(プロフ) - **ぐるぷん**さん» 私もCATSのCD持ってます!いいですよね〜(*^^*)ぐるぷんさんは、札幌に住んでいるんですか? (2014年10月6日 22時) (レス) id: 4de1711d69 (このIDを非表示/違反報告)
**ぐるぷん**(プロフ) - なおぴょんさん» キャッツ千秋楽迎えましたね!キャッツのCD聴くたびにキャッツ観たいな〜ってなります(T ^ T)受験終わるまで札幌でやってるかが不安で不安で(°_°) (2014年10月6日 22時) (レス) id: d02575319c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねねこ | 作成日時:2014年7月8日 20時