劇団四季CATS ジェリクルキャッツと少女の物語2

第45話 予知能力 ページ3

「カッサンドラとタンブルブルータス！？」

私が大声で言ったため、後ろから口を塞がれた。

「しー！聞こえる！貴方がマンカスを助けた女の子？」

私は必死に頷く。

「ああ、マンカストラップが惚れ…んぐっ」

カッサはタンブルの口も塞ぐ。禁句でも言いかけたのかな。

「貴方がAね。私はカッサンドラよ。」
「俺はタンブルブルータスだ。しかし東京に住んでいるお前が何故今京都にいる？」

私は親戚の事を話した。

「あら、赤ちゃんが！おめでたいわね！」
「うん。貴方達はどうして京都に住んでいるの？」
「私はある役目があるの。ジェリクルにとってはとても重要よ。」


カッサは猫になると月を真っ直ぐ見て息を吐く。

すると星空が更に輝き、月が蒼く光った。


「カッサはジェリクルムーンが来る時を予知出来るんだ。」
「ジェリクルムーンって？」
「その月が来る夜は舞踏会が行われるんだ。」
「…確か年に一度のお祭りで一匹だけが天上の世界に行けるって…」
「よく知っているな。」

2人でカッサを見ながら話していると、彼女は息をついた。


「駄目。この調子じゃ夏は無いわね。」
「去年はいつあったの？」
「11月だったが、奴は気まぐれだ。いつ来るかわからない。」
「予知出来た時は舞踏会の開催日の1週間前に私達が東京にいくのよ。」

へ〜！

「京都は方角が関係しているのか、ジェリクルムーンが見えやすいのよ。」

そうだったのか〜

「他のジェリクルが遊びに来る事はあるの？」
「スキンブルシャンクスが何度か来てくれる。半年前は様子を見にランパスキャットもきてくれたよ。」


こうして2匹と話しているとかなり時間がたっていた。

「やば！そろそろ帰らないと！」
「大変！1人で大丈夫？」
「はい！会えてよかったです。ジェリクルの皆にも伝えておきますね！」
「待てA、明日お前に頼み事がある。朝早い東京行きに乗るか？」
「え、あ、はい。」
「なら明日、駅で会おう。」



翌日、親戚に見送られ駅へ向かうとカッサとタンブルがいた。

「この手紙をマンカストラップに渡してくれ。彼に渡すまで決して見るな、いいな。」
「はい。あの、タンブルってなんで皆の事フルネームで呼ぶの？」
「ふふ、タンブルは恥ずかしがり屋さんだから私以外の猫は愛称で言わないのよ。」
「お、おい、カッサ…！」

視線を逸らしたタンブルの顔は少し赤い。

おー、さすが彼女！



このふたり、とてもお似合いカップルだ。

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