検索窓
今日:27 hit、昨日:22 hit、合計:22,721 hit

第60話 電車での危機 ページ19

今日は部活の練習試合で隣の市の高校に行っていた。


「Aおかえり!」


電車から降りると毎度やって来る鉄道猫。


「試合、どうだった?」
「連勝してたけど最後だけ負けちゃった。去年全国大会の個人で準優勝した人だったの。」
「準優勝!すごい!」
「だよね〜私もそのくらい強くなりたいな。」


そんな話をしていると、ホームの方から泣き声が聞こえた。


どうやら女の子が帽子を線路に落とし、それを拾う為に自分も降りたとのことだった。


どうやら1人でおつかいに来たらしく、保護者はいなかった。


早く上がらないと電車が来るのにホームは結構深くて上がるのには時間がかかる。


男の人が手を伸ばすものの、女の子の手には届かない。


このままじゃ女の子が危ない!




私はためらわず線路に降りた。




「何をやってるんだ!」

別の男性をスルーし、私は女の子を抱き上げてホームへ上げた。


よかった、私も早く上がろう。







しかし、ゴトゴトという音がして振り返ると、電車が私がいるホームへ来ていた。





早くしないとはねられる!






しかし私の足はすくんで動かない。






私、このまま…





覚悟して目を瞑ったその時。







「A!」








男性の声がして、ふわっと身体が軽くなる。






気付けば電車は通り過ぎ、私は反対側のホームにいた。






パニックになっていた私は今どんな状態か理解するのに時間がかかった。






私は今、人間になったスキンブルに抱き上げられていた。






「あ、ありが…」
「まったく、死ぬところだったぞ!」




私は驚いた。



いつも穏やかで優しいスキンブルがしかめっ面で怒鳴るだなんて…。





スキンブルはそっと私を下ろし、抱き締めた。







「よかった、無事で…。」







心配をかけてしまった。


迷惑をかけてしまった。





「ごめんなさい…でもあの子を助けたかった…すごく…怖かった…」
「うん。」





私が小さい声で言うと、スキンブルはいつもの微笑みをくれた。






「いや〜かっこいいねお嬢さん!」


1人の男性が笑顔で拍手をすると、周りのホームにいた人達も拍手をしてくれた。




「Aは勇敢でかっこいいね!」
「やめてよスキンブル///」
「まさか照れてる?」






スキンブルがからかってきた為、私は彼の背中を叩いてやった。









私はいい事をしたはずなのに、何故か複雑だった。

第61話 守る→←第59話 忘れられない姿



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
17人がお気に入り
設定タグ:劇団四季 , CATS
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

なおぴょん(プロフ) - **ぐるぷん**さん» 私も毎日聴いてますよ~♪ 札幌公演見に行きますか? (2014年10月10日 22時) (レス) id: 4de1711d69 (このIDを非表示/違反報告)
**ぐるぷん**(プロフ) - なおぴょんさん» 私も毎日聴いてます!私は福島です!( ̄^ ̄)ゞ (2014年10月10日 22時) (レス) id: d02575319c (このIDを非表示/違反報告)
ねねこ(プロフ) - **ぐるぷん**さん» 四季のアラジンオーディション、団員以外にもキャスト募集するので一和さんが出る可能性なある気がします。退団後も四季作品に契約で出ている方いますし…札幌開幕は来年の1月なので最低でも一年はやると思いますよ! (2014年10月6日 23時) (レス) id: 14bda2dd5b (このIDを非表示/違反報告)
なおぴょん(プロフ) - **ぐるぷん**さん» 私もCATSのCD持ってます!いいですよね〜(*^^*)ぐるぷんさんは、札幌に住んでいるんですか? (2014年10月6日 22時) (レス) id: 4de1711d69 (このIDを非表示/違反報告)
**ぐるぷん**(プロフ) - なおぴょんさん» キャッツ千秋楽迎えましたね!キャッツのCD聴くたびにキャッツ観たいな〜ってなります(T ^ T)受験終わるまで札幌でやってるかが不安で不安で(°_°) (2014年10月6日 22時) (レス) id: d02575319c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ねねこ | 作成日時:2014年7月8日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。